「ポジショニングマップ」の練習をしよう!(1)
2009年11月26日
こんにちは。グリーゼの こみやまたみこ です。 「ターゲットとコンセプトの決め方」の7回目、 いよいよ佳境に入ってきましたよ~。 1回~6回目の復習をしたい方は、こちらからどうぞ(^^) http://www.gliese.co.jp/mail_backno.html 前回は、 =================================================================== 【コンセプトとは】 「他の類似のものとの違いをひとことで言い表したもの」であり、 「コンセプト」を伝える目的は、他ではなくうちで買ってもらうことである。 【他とは】 他とは、競合のことであり、競合は同業者だけとは限らない。 「競合」を狭く捉えれば捉えるほど、 コンセプトを定義するのは簡単になるが、市場は狭くなる。 「違いをひとことで」言うためには、競合のことをよく知る必要がある。 【競合調査の手順】 1)調査の前提となる「お客様は誰なのか」(=ペルソナ)を決める ↓ 2)ペルソナにヒアリングして、ペルソナの購買行動を知る ↓ 3)ペルソナと同じように行動してみる(検索など) ↓ 4)ペルソナが比較検討の対象とするであろうお店を、 漏れなくピックアップする。 【競合ではなく“うち”が選ばれる理由を見つけるための手順】 1)ペルソナの購買基準をヒアリングする ↓ 2)ペルソナの購買基準を縦軸と横軸にして、 自社と競合が、ポジショニングマップの どの位置にあるのかを分析する ↓ 3)ポジショニングマップで競合と「かぶらない」場所が見つかれば それが「選ばれる理由」となる =================================================================== というところまで進みましたよね(だんだん長くなりますね(^^;;; )。 ポジショニングマップは、 使いこなせれば、とっても便利な考具(=考える道具)なのですが、 使いこなすのが、とっても難しい道具でもあります。 そこで、今回は、自社のポジショニングマップを作る前に、 まず、ビールのポジショニングマップを作っていただくという 宿題を出しました。 林檎屋のNさん、やってきてくれましたか? あれ? 今日は、またどうして、しょんぼりしてるんですか? ──────────────────────────── 同じ商品でも、ペルソナによって、ポジションは変わる ──────────────────────────── 「ポジショニングマップ作るのに、 全部のビールを飲み比べてたら、 かーちゃんに見つかって、叱られちゃったよ」 そうですか、ずいぶん勉強熱心ですね(笑) で、どんな感じになりましたか? 「よくわからないんだけどさ、 こういうのでいいわけ?」 http://www.gliese.co.jp/backno/027_1.gif わぁ、すごいすごい! 初めてなのに、上出来じゃないですか! 「ほんと? オレってセンスある?(嬉)」 あります、あります。バッチリです。 で、このポジショニングマップから、どんなことがわかりましたか? 「ビール飲むなら、サッポロ黒ラベルってことだね」 なるほど。 Nさんにとって、ビールを買う上で大事なのは、 「キレがある」かどうかと、「価格」だからですよね。 で、この2つでどっちが優先かっていうと、「価格」だから、 「アサヒ スーパードライ」じゃなくて、「サッポロ黒ラベル」を 選ぶということですね。 「当然でしょ!」 いやいや、それはNさんにとっての「当然」であって、 ペルソナが変わると、購買基準が変わりますので、 ポジショニングマップも変わってきます。 「???」 例えば、私が作ったポジショニングマップは、これです。 http://www.gliese.co.jp/backno/027_2.gif 「へぇ~、“美味しい”って、一体何よ?」 私は、Nさんほどビール通じゃないので、 「キレ」とか「コク」とかは、よくわからないのですが、 飲んだ時、「あ~美味しい♪」と思うかどうかです。 「けっ、そんなのCMに踊らされてるだけだと、オレは思うね。 それに、“プレミアム感”って何よ? そんなの、ビールに関係ないでしょ!」 いやそれが、私には関係あるんですよ。 エビスを飲むと、「今日1日頑張った私、お疲れ様♪」って思うし、 それがプレムアムモルツだと、どこからともなく 「シャル・ウィ・ダンス」の曲が、聴こえてくるんですよ、うふふ。 「はぁ~、こりゃ完全にビール会社の思うツボだね」 そ・・・そうかもしれませんけど(^^;;; ここで言いたかったのは、 「同じ商品でも、ペルソナによって、ポジションは変わる」 ということです。 ですから、同じ「Nさんの林檎」という商品であっても、 ペルソナによっては、「ナンバー1」だと思ってくれるかもしれないし、 「その他 大勢」になるかもしれない、ということなんです。 ──────────────────────────── ポジショニングマップは、1枚で済むとは限らない ──────────────────────────── では、もう一つ、練習問題をやってみましょう。 「え~っ、もういいよ。林檎でやろうよ」 いやいや、そうはいきません。 さっきのビールの例では、たまたま、Nさんも私も、 『ビール飲むなら、***だよね』 と、1枚のポジショニングマップで決められましたけど、 普通、人間の購買行動は、こんなにシンプルではないのです。 ですので、もう少し複雑な例でも、練習してみましょう。 Nさん、今年も娘さんに、クリスマスプレゼントあげますよね? 「う~ん、まあ中学生までは、やるかな」 何をプレゼントするか、決まりましたか? 「いや、全然。 かーちゃんは、何か考えてるかもしれないけど」 じゃあ、ここで一緒に、娘さんのクリスマスプレゼントを 考えてみましょう。 読者の皆さんも、大切な人へのクリスマスプレゼントをどう選ぶか、 ということを考えながら、読んでくださいね。 ================ 【STEP1】 ================ さぁ、Nさん、娘さんに何をプレゼントしましょうか? 「そうだなぁ、うちの娘が欲しがってるのは、 ロクなもんがないからなぁ。 ほんとは、せっかく買うなら、 ちっとは勉強に役立つものがいいと思うんだけどな」 なるほど。 娘さんが欲しがっているもので、 かつ勉強に役立つものがあれば、一番いいわけですね? 「そうだな」 では、まず、娘さんが欲しがっているものを、教えてください。 「娘が欲しいのは、どうせ服とか、バッグとか、アクセサリーとか チャラチャラしたもんばっかりだよ。 あ、あとは犬か猫が飼いたいって言ってたな。 i・・・i・・・iPodとかiPhoneとかも言ってたし。 クリスマスに欲しいのかどうかは知らないけど、 昼まで冷めない弁当箱が欲しいとも言ってたな」 では、Nさんが娘さんにあげたい 勉強に役立つものっていうのは、何ですか? 「本とか、参考書とかだな」 ひ~、結構、教育熱心なお父さんなんですね(^^; そうすると、娘さんが欲しがっているもので、 かつ勉強に役立つというものは、残念ながらなさそうですね。 どうしましょうか? 「う~ん、かーちゃんは、娘に甘いから、 欲しがってるものを買ってあげましょうよって言うだろうな」 ================ 【STEP2】 ================ では、娘さんが欲しがっている、 ・服 ・バッグ ・アクセサリー ・犬か猫 ・iPod ・iPhone ・昼まで冷めないお弁当箱 が、候補ということになりますね。 この中から、どれを選びましょうか? 「う~ん、まず高いやつは、却下だね。 中学生だから、せいぜい5千円まででしょう。 あと、ずっとお金がかかるとか、世話がかかるやつも、却下」 そうですね。 人は、欲しいものを絞り込んでいく時、 「どれが欲しいか」じゃなくて 「どれは要らないか」という視点で、 絞り込みをしていきますね。 今の条件でいくと、どれが却下になりますか? 「iPhoneと動物は、絶対ダメ!!」 ================ 【STEP3】 ================ はい、それでは、今残っているのは、以下の5点です。 ・服 ・バッグ ・アクセサリー ・iPod ・昼まで冷めないお弁当箱 ここから、どうしましょうか? 「う~ん、服とかバッグとかアクセサリーは、 買ってやっても、デザインが気に入らないとか、ダサイとか言って うるさいからなぁ。 かといって、クリスマスに弁当箱っていうのも、 なんだかありがたみがないから・・・ だとすると、iPodってことか?」 ================ 【まとめ】 ================ では、ここまでの話をまとめてみましょう。 ■ペルソナ 今回の購買主体者=ペルソナは、Nさんです。 最終的に商品を使用するのは、娘さんですが、 娘さんをペルソナとするか、Nさんをペルソナとするかでは、 「ベネフィット」が違ってきますので、要注意です。 ■ベネフット ペルソナ=Nさんが、いちばん手に入れたいベネフットは、 「娘に、『わぁ~これ欲しかったんだ、パパありがとう♪』と 喜んでもらえる、幸せ」 です。 そして、「しかも」のベネフィットとして、 ・5千円以内で買えて、幸せ ・ずっとお金がかかったり、世話がかかったりしなくていいから、幸せ ・センスに文句を言われなくて、幸せ ・クリスマスらしいプレゼントが贈れて、幸せ なども手に入れられればいいな~と、ペルソナは思っているわけです。 本当は、「しかも、勉強にも役立つものが贈れて、幸せ」という ベネフィットも手に入れたかったのですが、それは残念ながら、 満たされませんでした、ということですね(^^) ■購入商品 これらの、「ペルソナにとってのベネフィット」を満たす 商品として、最終的にiPodを購入することに決定しました。 (5千円未満ということは、iPod shuffleでしょうね) ここまでの話の流れを、 ポジショニングマップで書くとこうなります。 http://www.gliese.co.jp/backno/027_3.gif (画像が小さい場合は、画像の上でクリックしてみてください。) 今回の場合、「商品を1つに決める」までに、 3枚のポジショニングマップを 頭の中で描いていた、ということになるんですね。 「なるほどねぇ~」 ──────────────────────────── “うち”が選ばれる理由を見つけるための手順(まとめ) ──────────────────────────── それでは、今日のまとめです。 >>>>>---------------------------------------------------------- 【競合ではなく“うち”が選ばれる理由を見つけるための手順】 1)ペルソナの購買基準をヒアリングする ↓ 2)ペルソナの購買基準を縦軸と横軸にして、 自社と競合が、ポジショニングマップの どの位置にあるのかを分析する ※商品の購買基準は、ペルソナによって異なる。 ↓ 3)1枚のポジショ二ングマップで、「選ばれる理由」が 見つかるとは限らない。 「“うち”が選ばれる理由」が見つかるまで、 ポジショニングマップを何枚も作る。 ↓ 4)ポジショニングマップで競合と「かぶらない」場所が見つかれば それが「選ばれる理由」となる >>>>>---------------------------------------------------------- 今回は、最後がiPodだったので、「決定」となりましたが、 これが、もし洋服だったら、 3枚のポジショニングマップの後ろに、さらに 「どこのショップで洋服を買うか」という 「狭義の競合」とのポジショニングマップが、 何枚も付け加えられることになると思います。 「なんとまぁ、複雑なものなんだね」 買い手自身は、これらの判断を一瞬で下しているので、 細かいステップまでは、意識していないのですが、 売り手は、「買い手の頭の中で、何が起こっているのか」を、 細かく分析して、 「買い手が、自分の判断で、“うち”の店を選ぶように」 お店までの導線を作ったり、サイトをデザインしたりしなくては、 「売れるお店」にはなれない、ということです。 これが、「戦略」なんですね。 「ははぁ~」 Nさん、何をヒトゴトみたいに、びっくりしているんですか。 これから、Nさんも、この「戦略立案」をやるんですよ! 「え~っ、そうなの?」 そうです。だって、Nさん、もっと売りたいんでしょ? 「そうだった。がんばりマス(怖) じ・・・次回ですか?」 いえ、次回もポジショニングマップの練習です。 「え~まだ練習やるの?」 ここでつまずく方が多いので、じっくり説明しておきたいんです。 ということで、Nさん、来週は、 「娘さんへのクリスマスプレゼントに、洋服をあげることになった」 と仮定して、話を進めましょう。 娘さんのお洋服を買う店として、 どういう店が候補に上がるのか、奥さんに聞いておいてくださいね。 「え~っ、ムリムリ!!」」 Nさん、もっと売りたいんでしょ? 「・・・がんばりマス(怖)」 では、今日はこのくらいにして、 娘さんのiPodに入れてあげる曲を、iTunes Storeに探しにいきましょう♪ 「あ、オレ、聴きたいCDがあるんだよね」 へ~、なんですか? 「『ラブ&ビール(生)』っていうCDと、 『ビールを飲みたいっ!』っていうCD!」 両方、ビールのCMソングの、オムニバスじゃないですか! そんなの聴いたら、ますますビールを飲んじゃって、 また、奥さんに叱られますよ(笑) |















