
SEOコンサルタントの長濱佳子です。
2019年10月25日、Googleは「BERT(バート)」と呼ばれる人工知能(AI)を採用したアップデートを実施したと発表しました。
BERTアップデートの特徴は、検索クエリのニュアンスやコンテキスト(文脈)を理解して、より関連性の高い検索結果を返すことです。
今回はBERTアップデートについて紹介します。
■BERTアップデートとは?
2019年10月、GoogleはBERTアップデートを実施しました。「BERT(バート)」と呼ばれる人工知能(AI)を採用したアップデートです。
「BERT」は、「Bidirectional Encoder Representations from Transformers」の頭文字をとったもの。自然言語処理 (NLP: Natural Language Processing)の技術で、Googleは2018年にオープンソース化していました。
自然言語とは、簡単にいうと私たちが日常に使っている言葉です。コンピュータは人間のようには、自然言語を正しく理解できません。そこでGoogle は自然言語を処理するためにBERTという技術を開発したのです。BERTは、自然言語処理の能力を飛躍的に向上させました。
このアップデートでは、特に「長い会話型のクエリ」に対して、より関連性の高い検索結果を返すようになりました。BERTの影響は米国の英語検索で10件のうち1件でみられたといいます。つまり10%のクエリに影響したということです。
Googleによると、影響は英語検索のみとアナウンスされていますが、強調スニペットなどで日本語検索のランキングにも影響がでているようですし、ほかの国でも展開していくのは間違いないでしょう。
■BERTによるクエリの例
BERTの採用後に変化のあったクエリの例を1つ紹介しましょう。
「2019 brazil traveler to usa need a visa」
これは「2019年、ブラジルの旅行者は米国へ行くのにビザが必要か?」を問うクエリです。
この文章では"to usa"(米国へ) の "to" が重要ですが、これまでの検索エンジンでは"to" を無視してしまい「米国の人がブラジルに行くときにビザが必要か?」という結果を返していたといいます。
BERTは「文章型クエリ」や「"for(~のため)"や"to(~へ)"などのクエリ」に対して効果を発揮するのです。
■BERTアップデートの対策方法とは?
BERTアップデートの対策方法は特にありません。なぜなら、今まで通りユーザーのためのコンテンツを作ればいいからです。
ただ1つ上げるとすれば「検索意図を考慮して、わかりやすい文章にする」ということです。まずは、ユーザーの検索意図を考慮して、求める情報を含めたページを作成しましょう。そして、検索意図を考慮したら、適切な言葉でわかりやすい文章のコンテンツにします。
誤字脱字に注意し、冗長になっていないか、主語と述語がねじれていないか、などに気をつけてください。
■まとめ
BERTアップデートにより、ニュアンスやコンテキスト(文脈)を理解し、より関連性の高い検索結果を返すようになりました。
「何を言っているかわからない」という人間も理解できない文章は、BERTも理解できません。今後わかりにくい文章は検索クエリとの関連性が下がり、評価されづらくなると心しましょう。
SEO対策も「もはや単語単位のSEOは通用しなくなってきている」ということですね。
この記事は2019年11月25日現在の情報を元にしています。
外部サイトへのリンクが切れている場合があります。ご了承ください。