こんにちは。株式会社グリーゼ 代表取締役 えじまです。
皆さまは、弊社が「コンテンツ制作ポリシー」を掲げていることをご存知ですか?
グリーゼは、Webリサーチのみによるコンテンツ制作は行わない
(取材・ヒアリングを行い、独自性・専門性の高い、価値あるコンテンツを制作する)
ということを明言したものです。
そのため、圧倒的多数の「安く、手っ取り早く、大量の記事を作ってほしい」というご依頼は、全てお断りしています。頑なにこのポリシーを守り続けて事業を行っている背景に、実はSEOコンサルタント 住太陽(すみもとはる)さんの存在があります。
住さんは、2002年に国内初となるSEO解説書を出版。以来一貫して、「小手先のSEOテクニックに頼るのではなく、価値ある情報を発信し続けることこそが、SEOの本質である」という姿勢を貫かれています。
弊社の「コンテンツ制作ポリシー」は、住さんの情報発信に対する考え方に基づいて作成したものなのです。
住さんに出会って20年以上。その期間、ずっと一方的に、住さんが発信される情報をキャッチアップしているだけでしたが、このたびようやくコンサルティングを依頼することができました。
本記事では、2023年7月12日に、住太陽さんをお招きして実施した、「グリーゼのこれからの情報発信の在り方について考える勉強会」の中から、私が特に「目からウロコ」だったことベスト3をご紹介します。
弊社はモノカキの会社ですから、「文章の品質」に、非常にこだわりを持っています。
「読みやすく書く」「分かりやすく書く」「伝わりやすく書く」ということに関しては、企業研修もたくさん実施してきました。
ところが、誰もが気軽にSNSなどで情報発信をするこの時代においては、「読み手は、文章の品質に、さほどこだわらない」「読み手は、素人のヘタクソな文章に慣れている」とのお言葉。
これには、参加していた弊社のディレクターやライターも、「えっ、そうなの?」という表情でした。
もちろん、読み手が「さほどこだわらない」としても、弊社はプロのコンテンツ制作会社ですから、品質の高い原稿を納品していく姿勢は変わらないのですが、
「品質の高い文章でなければ伝わらない」「だから、プロに外注したほうがいい」というロジックは成り立たない、ということがわかりました。
「多少ヘタクソでも、自分の言葉で発信した情報にこそ価値があるし、読み手もそれを受け入れる」ということを肝に銘じた上で、「それでもコンテンツについてご相談していただける会社であり続けるには、どんな価値を提供していく必要があるのか?」を考えていかなければならないなあと思いました。
今回、住さんにコンサルティングをしていただくにあたって、事前にいろいろ相談をしていたときに、
「コンテンツ制作を請け負うのではなく、社内でコンテンツを作っている人たち(企業)を支援した方がいいのでは?」
というアイデアをいただきました。
しかし、いままでずっと「コンテンツ制作を外注したい」企業とお付き合いしてきた私たちには、ピンと来ません。
「コンテンツを内製したいというニーズは、本当にあるんでしょうか? 内製化とかインハウス化という言葉で検索している人はあまりいないようだし、内製化支援をメインのビジネスにしている競合もいないのですが・・・」
という疑問を、住さんにぶつけました。
すると、「いやいや、そうじゃない」というお言葉が返ってきました。
そもそも、コンテンツは内製するのが「普通」であり、9割以上の企業は、最初から内製している。だから「内製化」(いままで外注していたものを、自社でできるようにする)という概念がない・・・と。
これは、言われてみればそのとおりかもしれないのですが、私たちには全く気付けなかったことで、第三者の目を入れることの重要性を痛感しました。
弊社は「ライター育成」に関しては長い経験があり、
・「自社でコンテンツを作りたいけど、書き方がわからない」とか
・「ネタがない」とか
・「書く時間がない」
という、企業のお困りごとを解決できる知見ならたくさん持っているので、それらを積極的に発信していこうということになりました。
これは、「目からウロコ」でもあり、「はぁ~、やっぱりそうですよね」でもありました。
弊社は、コンサルティングメニューのひとつとして、カスタマージャーニーマップの設計も行っています。
しかし、時間をかけて緻密なカスタマージャーニーマップを作っても、ユーザーはそのとおりに動いてくれるわけではありません。
「このやり方が、最適解なのだろうか?」と、疑問を感じていました。
そこに、ズバリ、「カスタマージャーニーマップは要らない」という、住さんのお言葉。
代わりに教えてくださったのが、バタフライ・サーキットモデルです。
これはざっくり言うと、「ユーザーは、"さぐる"(調べる・探す)と、"かためる"(納得する・解決する)の間を、蝶のように自由に行ったり来たりしている」という考え方。
カスタマージャーニーマップのように、左から右に「時間軸に沿って、引き上がっていく」ものではないということですね。
では、蝶のようにフラフラと行ったり来たりするユーザーに対して、企業はどのようなコンテンツを用意すればいいのでしょうか?
住さんから提案されたのは、
1)"かためる"に応えるためのコンテンツは、数本あればよい
2)"さぐる"に応えるためのコンテンツを、ひたすら作る
というやり方。
いままでのカスタマージャーニーマップの考え方のように、
"さぐる"対応コンテンツで流入
⇒ダウンロード資料でリード獲得
⇒ナーチャリングメールで引き上げ
⇒商談化!!
・・・のような、企業に都合のいいストーリーではなく、
"さぐる"対応コンテンツでコツコツと情報を提供
⇒時間をかけて信頼関係を構築
⇒いつの日かご相談・お問い合わせへ
・・・というストーリーです。
「そんな気長な・・・」とも思いますが、実際私は20年以上も、住さんの"さぐる"対応コンテンツにお世話になってきて、20年間ブレない住さんの姿勢を信頼した上で、今回ようやくコンサルティングをお願いしたのですから、まさしくバタフライ・サーキットモデルどおりの動きをしたわけです。
「ううむ、それはとても納得だけど、いつかお問い合わせいただけるときまで、ひたすら情報発信し続けるというやり方は、弊社のように体力のない会社には厳しいです。すぐに売り上げにつなげるには、どうしたらいいでしょうか?」
とご相談したところ、「それはLP作って、広告を出したらいいよね?」とのご回答。
たしかに、おっしゃるとおりです。いままでほとんど広告を出さずにやってきていたので、広告を併用するというアタリマエのことすら、すっかり忘れておりました(汗)。
弊社はコンテンツマーケティングのプロではありますが、自社のこととなると、やはり見えないことがたくさんあります。変化の激しい時代の中で、いまこのタイミングで住さんのコンサルティングを受けられて、本当によかったと思いました。
◆一番衝撃で納得感があったのは「ファネルやジャーニーはシンプルでよいこと」でした。
「このコンテンツで、どんなお困りごとが解決できるのか」という視点に特化して設計するということだと思うので、クライアントに伝えるときもズバッと自信をもって伝えることができそうです。
◆「どうすれば会社に興味を持ってもらえるか?」
「どの媒体でどのように発信すれば、"その人"に届けられるか?」
という問いが印象的でした。
◆メルマガで発信した情報も、バックナンバーだけではなく、一部を切り抜いてSNSで発信することで、今まで情報が届いていなかったユーザーにも届く可能性があるのだと思いました。
◆「BTOB企業の多くは、コンテンツ内製があたりまえ」というのが目からうろこでした。一方で、その90%の中には、コンテンツ制作に関するさまざまなお困りごとを抱えながらも「外注」や「外部のコンサルを受ける」という選択肢に気付いていない企業も少なからずいるかもしれないなと思いました。
◆カスタマージャーニーマップのとおりに動く人はいない。マーケティングも多様性の時代なのだと感じました。
◆汎用的なノウハウはフロント商品として無料で積極的に提供し、専用ノウハウでお金をいただく。グリーゼの強みは解決策をたくさん持っている点であり、それをブランディングしていくこと・・・という指摘は、なるほどと思いました。
◆中小零細企業の情報発信に対して、支援が求められていることは、
1.継続に向けてのお尻を叩く(モチベーション)
2.ネタだしのサポート(コミュニケーション)
これ、すなわち「編集の仕事」という点も、面白い気付きでした。
◆これからはAIDMAモデルなどが通用しなくなっていくのなら、これまでの経験だけにとらわれず、どういったコンテンツがユーザーに「刺さる」のか、新たな方向性も探っていくべきだと考えました。
◆お仕事を受けて終わり、ではなく、意見を求められたときに自分なりの見解をお伝えできるように、コンテンツ制作周りのことをもっと勉強していきたいと思いました。
◆Webサイトが営業的な役割を果たすために、まだまだやれることがありそうな、希望が見える勉強会に参加できてよかったです。
◆第三者(プロ)に聞くことの重要性を感じると共に、グリーゼもプロとして聞かれる立場を確立せねばと思いました。自分なりにどう貢献できるかをこれからも考えていきます。
弊社が今回お願いしたクッキリコンサルは、弊社のように、少人数で運営していて、情報発信の方向性に迷っているという企業には、ぴったりのサービスだと思います。
とはいえ、住さんにお時間をいただけるのは3時間だけなので、その時間を価値あるものにするために、十分に準備をして臨むことをお勧めします。
弊社も、事前に社内ミーティングを何度も行い、それ自体が非常に価値あるものであったと思います。
住さんのコンサルティングを経て、いまは実行プランに優先順位をつけて、一つずつ着手しようとしているところです。
実践の結果は、改めてご報告いたしますね!