
2017年5月、グリーゼではビジネスパーソンがフォームから問い合わせや資料請求をする際に、何を感じ、どのように行動しているのかを把握する目的でアンケート調査を実施しました。その結果、仕事に関連する問い合わせや資料請求、セミナー・講演会・勉強会への申し込みフォームにおける課題が判明。フォーム最適化の参考にされてはいかがでしょうか。
「Webサイト上の申し込み・問い合わせフォームから、あなたのお仕事に関連する問い合わせや資料請求、セミナー・講演会・勉強会への申し込みをする際に、『できれば入力したくない』と感じる項目はどれですか?」という問いに対し、最も多かった回答は、「会社の名前」で56.9%でした。
次いで、2位が「会社の住所」、3位が「会社の電話番号」となっており、問い合わせや資料請等をしたことによって、会社にコンタクトをとられたくないと考えているビジネスパーソンが多いことがわかります。
ビジネスパーソンはWebサイト上から問い合わせや資料請求をする際、パソコンとスマートフォン、どちらを使うことが多いのでしょうか。
結果は、「パソコンからしか申し込み・問い合わせしない」「どちらかといえば、パソコンから申し込み・問い合わせすることが多い」と回答した人が、70.8%。 一方、「スマートフォンからしか申し込み・問い合わせしない」「どちらかといえば、スマートフォンから申し込み・問い合わせすることが多い」と回答した人が、21.3%に留まっており、スマホファーストの時代といえども、BtoB領域においては、パソコンの画面に最適化したフォームが重要であると考えられます。
「あなたのお仕事に関連する問い合わせや資料請求、セミナー・講演会・勉強会への申し込みをしているときに、お名前などの項目を入力するのを、途中でやめてしまったことがありますか?」という問いを、パソコンからのフォーム入力とスマートフォンからのフォーム入力に分けて行い集計しました。
その結果、「ある」と回答した人は、「パソコンからのフォーム入力」で、68.2%、「スマートフォンからのフォーム入力」で67.2%といずれも三分の二を超えました。フォームの最適化により、問い合わせ率・申し込み率等が劇的に向上する可能性があると言えるでしょう。
では、なぜフォーム入力は途中で離脱されてしまうのでしょうか。理由について調査しました。
仕事に関連する問い合わせなどのフォーム入力を、途中でやめてしまったことが「ある」と回答した人に、その理由を尋ねたところ、パソコン・スマートフォンいずれにおいても、 ■1位:登録する項目が多かったから ■2位:申し込みやお問い合わせの内容に、関係がないと思われる項目が多かったから ■3位:信用できるサイトか不安になったから という結果が出ました。離脱を防ぐためには、入力項目の吟味やサイトの信頼性を証明する表示が重要だと考えられます。
「WEBサイト上の申し込み・問い合わせフォームにお名前などの項目をすべて入力した後、次のページで表示される「入力した内容を確認する画面」にボタンが2つ並んでいた場合、『登録』を選びたかったのに『戻る』ボタンを押してしまったなど、自分が選びたかったボタンと逆のボタンをクリックしたことがありますか?」という問いに対し、「ある」と回答した人は、実に62.2%にのぼりました。
このことから、フォームだけではなく、確認ボタンの最適化も重要であることがわかります。 また、上記問いで「ある」と回答した人に、逆のボタンをクリックした理由を尋ねたところ、「自分が思っていた位置と、逆だったから(例:「登録」は右だと思っていたら、左だった)」という回答が圧倒的に多く、64.0%でした。
確認ボタンの位置は、一般的なサイト(向かって右が「進む」、向かって左が「戻る」)と合わせた方がよいでしょう。
使用メディアと、確認ボタンの取り違え経験のクロス集計も行いました。
その結果、 パソコン・スマートフォン半々程度の使用 < パソコンのみ使用 < スマートフォンのみ使用 < どちらかといえばパソコン < どちらかといえばスマートフォン となり、メディアと確認ボタンの取り違えの明確な関連性は見いだせませんでした。
入力フォームの送信後画面には、バナーやリンクを表示しているケースが多いです。これらをクリックしたことがある方はどのくらいいるのか調査しました。
その結果、半数以上の方が、入力フォーム送信後画面に表示されたバナーやリンクをクリックしたことがあることがわかりました。
また、「バナーやリンクをクリックしたことがある」と回答した人のクリックした理由は、 ■1位:うっかりクリックしてしまった ■2位:バナーやリンクの内容に興味を持ったから ■3位:以前から興味があることだったから 一方、「バナーやリンクをクリックしたことがない」と回答した人のクリックしなかった理由は、 ■1位:広告だと思ったから ■2位:バナーやリンクの内容に興味を持てなかったから ■3位:バナーやリンクの内容に興味はあったが、時間がなかったから という結果でした。 以上を踏まえると、「クリックを誘うデザインや配置」「広告に見えないバナーやリンク」「フォームの内容と連動した内容」等に配慮すれば、フォーム完了画面からサイト回遊を促すことが可能であるといえるでしょう。
調査の結果、仕事に関連する問い合わせや資料請求、セミナー・講演会・勉強会への申し込みをしているときに、名前などの項目を入力するのを、途中でやめてしまったことが「ある」と回答した人は、「パソコンからのフォーム入力」「スマートフォンからのフォーム入力」ともに、三分の二を超えていました。これを、以下の具体例で見ていきましょう。
Webサイト訪問 200人 ↓ フォーム入力 20人(仮に10%とした場合) ↓ フォーム離脱 13人(65%) ※フォーム入力完了=コンバージョン 7人(35%) この場合、Webサイトへの集客コストを仮に@\500とすると、1人あたりの獲得コストは、約14,300 円。
これが仮に、入力フォーム最適化(EFO)によって、フォームの離脱率を仮に30%にすることができた場合には、
Webサイト訪問 200人 ↓ フォーム入力 20人(仮に10%とした場合) ↓ フォーム離脱 6人(30%) ※フォーム入力完了=コンバージョン 14人(70%) この場合、Web サイトへの集客コストを仮に@\500とすると、1人あたりの獲得コストは、約7,200円に下がります。
また、調査結果からフォームの最適化により、問い合わせ率・申し込み率等が劇的に向上する可能性があることがわかりました。
最適化の具体的な方法として調査結果から浮かび上がって来たのは、以下の3点です。 ■1:入力フォーム 入力させる項目数をできるだけ減らす。 特に、所属している会社の名前・住所・電話番号は、絶対に必要な場合以外は入力させない方がよい。 ■2:確認画面 確認ボタンの位置を、一般的なサイト(向かって右が「進む」、向かって左が「戻る」)と合わせた方がよい。 ■3:送信完了画面 フォームの内容と連動したバナーやリンクを置いて、サイト回遊を促進するとよい。
集客コストを下げるためにWebサイト全体を改修すると大きな費用が発生しますが、フォームの改修だけであればかなり費用も抑えられ、かつ改修にかかる時間も大きく抑えられるはずです。Webサイトの改善を検討している企業は、まず入力フォーム最適化(EFO)から着手されてはいかがでしょうか。
※データは2017年2月現在の調査結果に基づいたものです。
【調査概要】
・調査の目的 仕事に関連する問い合わせや資料請求、セミナー・講演会・勉強会への申し込みフォームにおける課題の把握
・調査対象 パソコンまたはスマートフォンから、仕事に関連する資料を請求したことがあると回答した方
・調査時期 2017/02/15 ~ 2017/02/17
・調査方法 パソコンサイト上のアンケートフォームによる選択回答式
・調査実施機関 株式会社グリーゼ
・有効回答数 357