「新しい働き方として注目されているワーケーションを実体験して、そのメリット/デメリットを考察してきましょう」という目的で実施されることになった「グリーゼ ワーケーション実験」。
そのトップバッターとして、ディレクター山口が、心のふるさと・大分県に行ってまいりました。
以前から計画していた、九重連山の一つ「三俣山」の登山。そこから阿蘇・湯布院を経由して、別府・鉄輪(かんなわ)温泉へ移動しての、5泊6日のワーケーションで見えたことをレポートします。
~目次~
1. 出発前に早くも反省・・・登山はワーケーションに向いてない
2. テレワーク歴10年。「仕事」の部分は余裕!と思っちょったけど・・・
3. 登山からの温泉三昧。こんなにゆっくりできるのはワーケーションならではやな~!
4. 大分っち、やっぱいいとこやで!
大分は、3歳から高校卒業までを過ごした土地。生まれ故郷でもなければ、実家があるわけでもないのですが、多感な時期を過ごしたこともあって、私にとっては「心のふるさと」。
その大分で小中学校を共に過ごした友達と、今年の春、「こっそり軽登山部」という部を立ち上げ、「11月に九重に登ろう!」という計画を立てていました。
そこにちょうどタイミングよく、会社から「ワーケーションのトライアルをやるよ!」というお達しが下ったので、大分をワーケーションの行き先に決定。
「大分は知ってる土地やし、向こうに友達はおるし、安心や~」と思っていたのですが、前日になって、荷造りをし始めて気づきました。
「冬の登山は、ワーケーションに不向きやった(汗)」
なぜかというと、荷物がハンパなく多い!! 山の道具とウェアと防寒具が大きなスーツケースの9割を占めるありさまです。
「山頂は寒いで! 氷点下やで!」(実際はそこまで寒くなかったです)と、あちこちから聞こえてくる助言に、「念のため」「ないと困るから」とダウンやあったかグッズをスーツケースに詰め込み、ノートパソコンの入ったリュックを背負うと、まるで家出・・・。
その分、普段着の替えを少なくしたので、途中2回ほどコインランドリーで洗濯をすることになりました。ドロにまみれた登山グッズも洗いたかったですが、ホテルのバスルームで洗うのは気が引け、結局、家に帰りつくまでそのままになりました。
でも、11月の九重は、ちょうど紅葉の時期でお天気も良く、最高のリフレッシュができました!
登り切ったときに見える景色に癒されます!
全行程のうち、最初の2日間でメインのイベントである登山に行き、後半に仕事日を集中させるよう、計画を立てました。
グリーゼで仕事を始めて十数年。当たり前にテレワークをしていたので、遠地であっても「仕事」の部分はまったく心配していませんでした。最近のホテルは、WI-FI完備で通信環境もまったく問題なし。ただ、いざ仕事をしてみると、いろいろな気づきがありました。
今回は「実験」なので、主に仕事をすると決めた日にも、ちょいちょいイベントをはさんでみることにしました。ちょうどホテルとコワーキングスペース(なぜ、ホテルにWI-FIがあるのにコワーキングスペースに行ったのかは、後述)の間に、7つある「地獄巡り」のうちの5つくらいが点在しています。
立ち寄りながら効率よく仕事場に行けるな、と思っていたのですが、道に迷ったり途中でお昼を食べるところを探したりすると、あっという間に時間が経過します。「仕事日」と決めていても、やはり途中でどこかに立ち寄ったりすると、まとまって仕事をする時間が意外と取れなくなることに気付きました。
ワーケーション期間中に、「必ずチェックして、その日のうちに提出しなければならない原稿」が数本ありました。ライターさんとのやりとりも1日もずらせないので、移動時間や観光中も、なんとなく頭の片隅に仕事がチラつきます。
特に、初日と最終日。自宅と大分を行き来するには、片道5時間以上かかり、その間はろくにメールチェックもできないことになります。次回ワーケーションに行くとしたら、少なくとも初日と最終日は、お客さまとのやり取りが発生しない「土日祝」になるように計画したほうがいいな、と思いました。
海地獄。地獄を巡りながらも、メールが気になる・・・
別府では、ワーケーションの受け入れ体制が整っているホテルを予約しようと思っていたのですが、あいにく満室。そこで通常のホテルに泊まることになりました。もちろん、WI-FI完備かどうかはチェック済み。しかし、ホテルの部屋の写真を見ると、窓際に置かれているのはPC作業に向かないイスとテーブルのワンセットです。これでは、長時間のPC作業はムリだと思いました。
そこで、仕事は以前から注目していたコワーキングスペースですることにしました。たまたまホテルから徒歩圏内にあったのですが、そういうスペースがなかったり、天候が悪くてホテルの部屋から出られなかったりする場合もあるので、ホテルの部屋がちゃんとPC作業に適しているかは、要チェックだと思いました。
ワーケーションの期間中は、WEB会議の予定がなかったので、ヘッドセットは持参しませんでした。が、突発的にWEB会議やミーティングが入る可能性もあったな、とあとで反省。次回は、ヘッドセットを持って行こうと思いました。
長時間、仕事のできる環境は必須
(写真は、別府コワーキングスペース 「a side 満寿屋」さん)
課題はさまざまあるものの、やはりワーケーションならではのメリットも大いに実感しました。
行きたい場所に行き、会いたい人に会い、リフレッシュできる。それを、仕事を長期間休むことなくできるところが、ワーケーションの最大のメリットだと思いました。お盆や年末年始といったハイシーズンではない時期に行けば観光地も混雑していませんし、交通費や宿泊代が比較的安いのもいいですね。
今回の実験は、個人的には成功だと思っており、これを機会に日本全国、仕事をしながらあちこち旅するのもいいなぁと考えています。
今回のワーケーションを通じて、「場所」の制約をほとんど受けることなく、業務を遂行できることがわかりました。子育てがほぼ終了し、比較的、自分の時間を自由に使うことができるようになってきた私にとって、時間や場所にとらわれない「柔軟な働き方」ができることはとても魅力です。今後の仕事に対するモチベーションが、とても上がりました!
今、「2拠点生活」を目指している人が多いと聞きます。実は私もその一人です。ワーケーションで「2拠点生活」の疑似体験ができたことも、個人的には大きな収穫でした。
余談ですが、主婦である私が5泊6日という長期間、家を留守にするのは初めてのことでした。残った家族はどうするのかな~と思っていたら、6日間の「家事分担表」を作成して、何とか乗り切った様子。
黙っててもご飯が出てくるのは当たり前でなく、猫は一日5回くらいおしっこをするから掃除しないと大変なことになり、洗濯は毎日しないとどんどん溜まるということを家族が身に染みて理解できたのも、ワーケーションのメリットだったかと思います(笑)
家族は当番表を作成して家事分担。猫のえさやり=「ニャーって言われた人」
今回のワーケーションでは、後半の2泊3日を別府・鉄輪温泉で過ごしました。別府の街は古い歴史がありながらもさびれてはおらず、むしろ若い人や移住者、2拠点生活者などを受け入れる懐の深さを感じました。
短い期間でしたが、この街の良さを再発見! 最後に、お世話になったコワーキングスペース、カフェなどを、ご紹介します。
https://1side.jp/
湯けむりの立ち上ぼる鉄輪の街なかにある、コワーキングスペース。移住してきた人、ワーケーションで訪れている人、2拠点生活者などが立ち寄る仕事スペースです。最近、ニュースで取り上げられたのをテレビでも見ていましたが、期待通りの、とっても素敵な空間でした。
疲れたら、道をはさんだ向かいにある「すじ湯温泉」に。疲れが癒やされ、仕事がはかどります!
左:代表の長谷川雄大さん(左)とスタッフの大堂麻里香さん。お世話になりました
右:向いには「すじ湯温泉」。地元の方との会話もはずみます
https://www.tojistay.com/?lang=ja
「a side」さんを探してうろうろしていたら、店頭に「特甘! 100グラム30円」のミカンの山! 思わず買い求めたついでに道を尋ねると、a sideさんへと案内してくれました(すぐそこだった・・・)。
店主さんは、とっても気さくで楽しい方。2日目も立ち寄ってまたまたミカンを買い、しばし立ち話。今は外国からのお客さまが途絶えてしまっているそうですが、素泊り3,000円、WI-FI完備! 別府散策の拠点として、次回、別府に行くときにはぜひお世話になりたいです。
※ミカンは、特特特甘でした!!
左:ひろみやさんの入り口。立ち話に花が咲く
右:特甘ミカン、4つで90円! 本当に甘くておいしい!
https://beppu-yufu-hita.goguynet.jp/2020/09/17/saboalice/
いでゆ坂の途中にある、一見、怪しげなカフェ(ごめんなさい!)。入ってみると、赤を基調にしたオシャレな調度品と、温かいおもてなし、そしてきっと材料から厳選しているに違いない美味しい料理と飲み物たち。マスターが淹れる「シェーカーコーヒー」は、コーヒーが苦手な人でもきっと飲める口当たりの良さです。白玉にたっぷりかかった黄な粉は、和三盆のようなやさし~い甘さが絶品! 最後に、「自分で決めたトランプカードを引き当てたら、お代は0円」のサービスあり。2回行ったけど、2回ともハズレました(涙)
左:地元の方も旅行者もくつろげる、居心地のいい店内
右:きなこが美味しい白玉。ネーミングは「黄金の天使」。むせながらも全部いただきました
大分、いいとこやで! ワーケーションじゃなくても、行っちみんかえ~!