横浜市には、SDGs実践企業が数多く存在します。その活動の一端を肌で感じていただこうと、2021年7月10日(土)、みなとみらい駅のイベント広場みらいチューブにて、「ヨコハマSDGs文化祭2021」が開催されました。感染防止対策が徹底された会場では、企業による活動報告や、商品の展示・販売、映画上映やご当地アイドルのミニライブ、音楽会など、イベントが盛りだくさん! 横浜に事務所を置くグリーゼもカードゲームで出展、トークイベントにも登壇しました。
ヨコハマSDGs文化祭は、言葉としては普及してきたSDGsを、「大企業のCSRの延長」や「流行りもの」のイメージにとどまることなく「自分ごと」としてとらえ、「自分たちのために行動しなければならない」という認識を持つ場を創出したい、との願いから開催されました。すでにSDGsを「自分ごと」としてとらえて活動する、横浜市の中小企業や団体の様々な取り組みに触れることで、SDGsを身近に感じてもらおうという催しです。
午前中のトークイベントには、横浜市のSDGs認証制度 "Y-SDGs" の最上位認定を取得する、石井造園株式会社(造園業)、株式会社大川印刷(印刷業)、株式会社太陽住建(不動産業)3社の社長が登壇。世の中にまだSDGsの概念がない時代から、地球環境を考えて事業を続けてこられた会社です。本業を通じて社会的課題を解決する取り組みを紹介するとともに、会場から寄せられた質問に回答する形で、SDGsを自分ごとにするために「私たちにまずできること」をアドバイスしてくださいました。
印象的だったのは、「安いものには安いなりの、高いものには高いなりの理由がある」というお話です。安価な製品やサービスの裏では何が起きているのか、逆に環境に優しい製品やサービスが「高価」なのはなぜかを、考える、調べてみる、想像力を発揮する...。消費者として商品やサービスを選ぶ基準や意識を、少し変えてみようという呼びかけがありました。また、SDGsに限らず、社会課題を企業や行政任せにしないという気持ちを持つことも大切、というお話にも、大きくうなずく人の姿が見られました。
3社とも、地域の人たちを巻き込みながら、社長を筆頭に社員が楽しく活動している様子がうかがえて、コロナ禍においても社業が順調である秘密を垣間見た気持ちになりました。総括役として登壇した、SDGsビジネスコンサルタントである当社の福田は、「企業は本業を通じてSDGsに本気で取り組んでいます。私たち消費者も、商品の選択など日々の生活を通じて、本気でSDGsに向き合い、ともに持続可能な社会を創るために活動していきましょう」と締めくくりました。
午後のトークセッションには、横浜市中区倫理法人会に所属する、当社代表の江島が登壇。グリーゼのSDGsに対する取り組みについて紹介しました。
当社は創業時からテレワークを導入するなど、メンバーの「働きやすさ」「効率化」を追求してきた経緯があります。自らの取り組みをSDGs視点で発信することも、SDGsを社会に広める一助になると気付いたことを例にとり、「中小企業は、もともと自分たちの事業を前進させるために、様々な工夫を重ねています。工夫の中には、SDGsにつながるものも多数あるはずです。個人も団体も自分たちの工夫や選択の積み重ねが、持続可能な社会につながることを意識して活動し、発信することも大切だと感じています」と語りました。
SDGsを自分ごとにするきっかけづくりとなれば、グリーゼが推奨する「SDGsカードゲーム」の出番! SDGsの考え方を取り入れて日本の地方創生を考える、『SDGs de 地方創生』カードゲームの体験コーナーを設けました。ゲームを通じて、自分やチームの判断、行動が社会にどのような影響を与えるのかをSDGsの視点で感じていただくことを目的に、ほんのさわりを体験していただきました。
SDGsの達成には、経済、環境、社会のバランスが重要で、日本ではこれに「人口減少」という構造的な課題を意識する必要があります。体験では、人口、経済、環境、社会(くらし)の4つの指標をバランスよく高めながら、「持続可能な街づくり」を目指すために、「プロジェクトカード」に書かれている施策を実行するか否か、チームで一つひとつ話し合いました。
プロジェクトカードには、日本のどこかの自治体で実際に行われた事業内容が書かれているため、リアリティがあります。そのプロジェクトを実行することでプラスになること、マイナスになること考え、意見を出し合う中で交わされる他人の意見や考え方に触れ、地域の発展に必要な様々な視点に気付くことになります。
午前・午後で3セッション、各6名の定員は満席御礼で、いずれの回、チームも、スタート時の4指標のポイントを向上させることができました。振り返りの時間では、参加者の方々から次のような感想をいただきました。
●最初はポイントが増えればうれしいと思いました。そのうち4つの指標のバランスが取れていないことに気付き、低い指標の施策に注力しよう、とチームの意識が変わりました
●地方の行政が実際に行っているプロジェクトとのことですが、地域の立地や経済的、人的な条件などで、4つの指標に与える影響も異なるのだろうと感じました
●今回は町の議員という役柄でゲームに参加しましたが、実際は一市民です。立場が違えば見方も変わる。当たり前のことですが、物事を俯瞰してみることの大切さを感じました
●注力課題は人口と経済、とチームで狙いを絞りました。自分が議員だったら...という視点を体験できて面白かったです
●みんなで協力して自分たちが暮らす社会をよくしていこう、という活動が、SDGsの考え方につながることを、カードゲームを通じて学びました
「とても楽しかった」「面白くてもう少し続けたいと思った」と、皆さんカードゲームを純粋に楽しんでくださいました。この体験が、今までとは違った視点を持つきっかけになり、願わくは『SDGs de 地方創生』カードゲームフルバージョンにも挑戦して、さらにSDGsの理解を深めていただけるとうれしいです。
文化祭という名にふさわしく、各企業、団体から発信される情報、サービス、グッズは多種多様。作り手の思いや熱量が伝わる魅力的な商品の数々にはグリーゼスタッフも大興奮で、帰りの手荷物が増えた人が続出でした(笑)。馬車道発横浜アイドル「ポニカロード」の皆さんも、自身のライブはもちろん、トークイベントでは登壇者に質問するなど、積極的に文化祭を楽しんでいました。
「ヨコハマからSDGsをもっと発信したい」。実行委員会の皆さんの思いが詰まった、心温まるイベントはこれからも続きます。グリーゼもカードゲームやコンサルティングを通じ、SDGsの推進に努めます。
(ライター:後藤千穂子)
SDGsカードゲームをはじめとする当社のサービスにご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。https://gliese.co.jp/service/sdgs.html
【参考記事】
「SDGsの社内浸透のために、なぜカードゲームが有効なのか?」
「楽しみながらSDGsを体感できる カードゲーム『SDGs de 地方創生』をやってみた!」