
ポリティカル・コレクトネス(Political Correctness 略して、PCと呼ばれることもある)という言葉を知っていますか?
ポリティカル・コレクトネス(Political Correctness)は、1980年代にアメリカで始まった、「用語における差別・偏見を取り除くために、政治的な(Political)観点から見て正しい(Correctness)用語を使おう」という運動が発端と言われており、現在では、「政治的・社会的に公正・公平・中立的で、なおかつ差別・偏見が含まれていない言葉や用語を使うことが望ましい」という意味合いで使われています。
日本での用例としてよく知られているのは、職業を表す名称です。
・保母 → 保育士
・看護婦 → 看護師
・スチュワーデス → 客室乗務員、キャビンアテンダント
上記のように、性別を感じさせない名称が推奨されるようになってきました。
では、英語表現は、どのように変わってきているのでしょうか?
・女性の敬称:Miss/Mrs. → Ms.
・警察官:Policeman → Police Officer
・消防士: Fireman → Fire Fighter
・郵便配達員: Postman → Mail Carrier
・実業家: Businessman → Businessperson
・スチュワーデス:Stewardess → Flight Attendants
・ウェイター/ウェイトレス:Waiter/Waitress → Server
上記は、英語での会話やメールでも使うことがあるので、ぜひ覚えておきましょう。
ポリティカル・コレクトネス(Political Correctness)を「言葉狩り」のように受け止めて抵抗を感じる方もいらっしゃるようですが、「多様性を受け入れ、お互いがお互いの文化や宗教・価値観などに敬意を払い、気持ちよく暮らしていくためのひとつの方法である」・・・というふうに捉えればよいのではないかと思います。
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【筆者紹介】
Ken Sakai(酒井謙吉)
Pacific Dreams,Inc.代表 国際人事コンサルタント
信州大学卒。1987年渡米。三菱シリコンアメリカ(現SUMCO USA)社勤務。1996年に退社後、Pacific Dreams, Inc.を設立。在米日系企業ならびに米国企業のクライアントを対象に、人事管理コンサルティング・マーケティングと異文化コミュニケーションのノウハウを提供。
また、全米各地で、毎月日系企業向けの人事セミナーを精力的に展開している。