
近年、テレワークを採用する企業が増えています。テレワークには通勤時間の短縮、育児や介護との両立しやすさといったメリットがある一方で、デメリットもあります。特に難しいのが、コミュニケーションの取り方。リアルに会って話ができないゆえに、ちょっとしたすれ違いや思い込みがトラブルにつながるのです。
そこで今回は、創業以来テレワークを取り入れてきたグリーゼが、テレワーカー同士で起こりがちな3つのコミュニケーショントラブルを紹介。さらに、20年間の経験から考え出した解決方法をお伝えします。
テレワークでは、メールでのやり取りが増えます。メールを送ったのに相手から何のリアクションもないと、「メールを読んでくれたのだろうか?」「メールに書いた指示をやっているのだろうか?」とやきもきします。
逆に「メールを送ったから、やってくれているだろう」と思い込み、相手がメールを見落としていたり、迷惑メール扱いになって気づいていなかったりして、期日までに作業が完了できないということも起こります。
そんなトラブルを解決する方法を、送るときと受け取るときに分けてお話しします。
【解決法】
・メールを送ったとき
メールを送っただけでは、相手に指示が届いたとはいえません。リアクションがない場合は、必ず「相手がメールを読んだかどうか」確認しましょう。
・メールを受け取ったとき
「受け取りました」の一言で良いので、すぐに一次返信を送ります。いますぐ作業にとりかかれないときは、いつできるかの期日を書いておくと安心です。また進ちょく状況を知らせるメールを適宜送ったり、作業ができない日や時間帯をあらかじめ知らせたりしておくと、信頼関係が深まります。
テレワークでは、メールで指示をあおいだり確認をとったりすることが基本です。送ったメールに返事がないと次の作業ができなくなり、業務の進行を妨げます。
メールの返信待ちは意外にストレスを感じるものなので、トラブルその1でお話ししたように素早く一次返信を行うというのが大前提。加えて返信を早くもらうために、心がけたい3つのテクニックがあります。
【解決法】
1) 1メール1用件にする
1つのメールに用件をいくつも書くと、すべての確認がとれるまで返事ができない状況を作ってしまいます。そのため1つのメールには用件を1つだけ書くようにしましょう。そうすれば相手も返信しやすくなります。
2) 件名は具体的に
メールがきたとき最初に見るのは「件名」です。メールを見落とされないように、具体的に書く必要があります。「受取人の名前、回答期日、用件」を書いておけば、相手は受け取ったメールの優先順位がつけやすく、返信しやすくする効果があります。
3) 返信が簡単にできるような工夫を
メールに具体的なことが書かれておらず「どうしたらいいでしょう?」といった疑問形にすると、相手に調べさせたり考えさせたりすることになり、スピーディーな返事が難しくなります。あらかじめA案とB案を提示し、それぞれのメリット・デメリットを説明して自分の考えを述べておくと、返信しやすいでしょう。
より気持ちよく仕事を進めるためには、メールの書き方も重要です。用件だけの素っ気ない文面を送ると、相手に「もしかして怒っているの?」「適当に返事をしているの?」と思われかねません。
次の2つを意識するだけで、相手をイライラさせることを防げるでしょう。
【解決法】
1) 最初と最後のあいさつをきちんと書く
対面で仕事をしている場合は問題ないが、離れて仕事をしているときは社外の方に送るメールと同様、「お疲れさまです」「お忙しいところありがとうございました」など、あいさつをきちんと入れることが大切です。
2) "クッション言葉"を使う
何かお願いをするときは「明日までにお願いします」などストレートに書くと相手に冷たい印象を与えてしまうことがあります。「お忙しいところすみませんが、明日までに...」「恐縮ですが、明日までに...」というように"クッション言葉"を使うと優しい印象になります。
テレワークを成功させるためには、メールでのコミュニケーションをスムーズに行うことが重要です。メールになるべく早く返事をするとか、相手が見えないことでイライラさせないようにメールをこまめに送るなどの方法を具体的にお伝えしましたが、一番重要なのは「相手がどう思っているか」を意識することです。
対面のコミュニケーションでも同じですが、顔が見えないからこその、さらなる気配りが必要ではないでしょうか。お互いのちょっとした心がけがコミュニケーションを円滑にし、テレワークという働き方をスムーズに回すことにつながるのです。