2021年7月19日、某住宅設備メーカー様の社内研修として開催された「コンテンツライティング講座(ナーチャリングシナリオ設計編)」に江島が登壇しました。
同社はすでにナーチャリングシナリオの基礎を理解し、設計を行っています。そのため本講座は、本来のカリキュラム(6時間分)の後半部分である「KPI策定」「マクロシナリオの設計」「ミクロシナリオの設計」に絞って、計2時間半にカスタマイズしました。
本レポートでは、受講者の方々の関心が高かった「マクロシナリオの設計」の内容についてご紹介します。
セミナー概要 | |
・セミナータイトル:コンテンツライティング講座(ナーチャリングシナリオ設計編) |
マクロシナリオは、カスタマージャーニーマップを可視化したもの
マーケティングオートメーション(以下 MA)ツールを使ってリードナーチャリングをするために欠かせないのが、カスタマージャーニーマップ。そこからすぐにシナリオメールの構成案を作り始めるのではなく、まずはマクロシナリオを作ることが重要、と江島は語りました。マクロシナリオとは本講座オリジナルの用語で、カスタマージャーニーマップをシナリオの形で図式化・可視化したものを指します。
カスタマージャーニーマップは、顧客をCOLD→WARM→HOTまで段階的に育成していくというストーリーで描きますが、実際にはその流れに当てはまらない場合もあります。例えば、以下のようなパターンです。
①シナリオの途中から流入してくる見込み客(下図のグレーの矢印):「初のサイト訪問で比較検討のための資料をダウンロードした」など
②引き上げられない見込み客(下図の紫の矢印):「シナリオメールを最後まで送っても何のアクションも起こさなかった」など
③ステージを飛ばして引き上がる見込み客(下図の緑の矢印):「COLDシナリオの途中で問い合わせしてきた」など
このように、カスタマージャーニーマップだけでは見つけにくい顧客の行動パターンも、マクロシナリオで可視化することによって見つけやすくなります。
マクロシナリオを作ると、何ができるようになるのでしょうか。下図を例にご説明します。
「どんなリードに対して」「どんなコミュニケーションを行うか」が可視化されることによって、コミュニケーションの抜け漏れを防ぐことができます。例えば上の図では、ブログ、公式ページ、実績ページを閲覧していても、メールアドレスを取得できていなければシナリオによるコミュニケーションができないことに気が付きます。
同じリードに対して、複数の矛盾するコミュニケーションが実施されてしまうことがないかどうかを視覚的にチェックできます。上の図では、WARMシナリオ、HOTシナリオの受信者は、各シナリオから送られるメールと公式メールマガジンとの両方を受け取ってしまう可能性があることがわかります。
必要なシナリオやコミュニケーションが全て洗い出せているかどうか、視覚的にチェックできます。例えば、失注したリードのリサイクルシナリオや、滞留リードの活性化シナリオも必要ではないかといった点を検討することができます。
講座では質疑応答の時間も設けられ、受講者の方々からの活発な質問に江島が回答しました。一部をご紹介します。
Q. マクロシナリオを作って、必要なコミュニケーションを洗い出しても、全てに対応することは難しいと思われます。何から手を付ければよいのでしょうか。
A. マクロシナリオでは全体像を描くことが重要です。その上で優先順位を決めます。「コンバージョンに近い」、「母数が多い」など、効果が出やすいところから対応するとよいでしょう。
カスタマージャーニーマップを作ると、まずはCOLDのシナリオから作っていきたくなりますが、COLDシナリオは成果が出にくいものです。それよりも、HOTのシナリオを優先すべきです。
HOTのシナリオを作って成果が出たら、さかのぼってWARM、COLDのシナリオも作っていきましょう。
質問した方は「今は、リードのステージごとに3通くらいのシナリオメールを作成しています。今後、シナリオメールの内容や分岐条件を見直すことになったら、最もコンバージョンに近いステージを優先して取り組みます」と、うなずいていました。
マクロシナリオとは、カスタマージャーニーマップを図式化・可視化したもの。マクロシナリオの設計が必要な理由は、以下の3つです。
(1)コミュニケーションの抜け漏れを防げる
(2)コミュニケーションの重複を防げる
(3)シナリオやコミュニケーションを洗い出せる
受講者の方からは、このようなご感想をいただきました。
【受講者の方の感想】
・マクロシナリオ・ミクロシナリオの考え方を基に、カスタマージャーニーマップに沿った設計をすることで、コミュニケーションの抜け漏れを防げるという点に納得できました。メール作成の際は、講座内容を思い出しながら設計していきたいと思います。(ECサイト担当)
・現在メールシナリオを作成しているので、シナリオの組み方など非常に参考になりました。マクロシナリオの抜け漏れについて、精査がまだ足りない部分がありそうなので、もう一度見直しをしていきたいと思います。(メールマーケティング・広告担当)
学んだことを業務に早速取り入れていきたいという声が多く、受講者の方々の熱意を感じました。
本講座が、シナリオ設計に取り組む際のヒントとなり、より良い顧客とのコミュニケーションへとつながれば幸いです。
(ライター:小嶋 真以)
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「コンテンツライティング講座(ナーチャリングシナリオ設計編)」では、ナーチャリングシナリオ設計の手順に添って、重要なポイントを解説します。本レポートでご紹介した「マクロシナリオの設計」の前に取り組むべきポイントや、マクロシナリオを細分化したミクロシナリオの設計方法を学ぶことができます。
【講座の概要】
1. 基礎知識
2. ペルソナデザイン
3. カスタマージャーニーマップの策定
4. 顧客ステージの設計
5. KPI(重要業績評価指標)の策定
6. マクロシナリオの設計
7. ミクロシナリオの設計
「MAをこれから導入しようとしている」、あるいは「MAを活用して、メールによるリードナーチャリングに取り組んでいきたいが、具体的にどうしたらいいかわからない」という企業の方は、ぜひご相談ください。
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▼下記の『コンテンツマーケティング担当者育成パック・カリキュラム資料』でも詳しくご紹介しています。ぜひダウンロードしてお読みください。