2022年10月1日、株式会社グリーゼの二代目の社長に、福田多美子が就任。
これを機に、会社のビジョンやパーパスを再度策定すること、そして、チームとしての力をより強化することを目的として、「未来会議」ワークショップを実施しました。
・「未来会議」ワークショップとは、何か?
・どんなやり方をするのか?
・どんな効果があるのか?
を、本コラムでお伝えします。
■「未来会議」ワークショップとは
■「未来会議」ワークショップの具体例(株式会社グリーゼの事例)
(1)用意するもの
(2)参加者
(3)所要時間
(4)進め方(今回の場合)
① 社長挨拶
② ファシリテーター挨拶
③ アイスブレイク
④ PART1「私が考える、2030年のグリーゼ」の作成
⑤ 全員ディスカッション
⑥ PART2「私たちが考える、2030年のグリーゼ」の作成
⑦ 完成! 記念撮影
■「未来会議」ワークショップで得られるもの
■ 最後に
「未来会議」ワークショップとは、右脳(潜在意識)にアプローチする、ビジョン&パーパス策定の手法です。
右脳(潜在意識)にアプローチする理由は、以下の2つです。
(1)過去の経験・実績・制限にとらわれず、伸び伸びと未来を描くことが可能になるから(フォアキャスティングではなく、バックキャスティングで、ビジョンやパーパスを描きやすくなるから)
(2)描いたビジョン&パーパスの実現性が高まるから
(潜在意識活用の重要性については、ナポレオン・ヒルやマーフィ、稲森和夫さんや船井幸雄さんなどが、書籍等で詳しく解説されていますので、興味のある方は、そちらを参考になさってください。)
ファシリテーターの江島は、企業の「ワクワクする未来」を、写真やイラストを使ってビジョナライズする「未来会議」ワークショップを考案。
2010年頃から、中小企業経営者向けに不定期に提供しています。
2021年には、経営者だけではなく、経営者+社員の皆さま向けに実施したところ、チームビルディングにも絶大な効果があることがわかりました。
・・・といっても、なかなかピンと来ないと思いますので、どんなことをやるのかを、具体的にご紹介しましょう。
1. 大きい画用紙・模造紙 ※参加人数×3+α枚あると安心です
2. ハサミ スティックのり ※参加人数分
3. セロテープ、色ペン、クレヨン、色鉛筆 ※適宜 全員に行き渡るくらい
4. 切ってもよい、写真やイラスト多めの雑誌
※1人あたり数冊
※写真を切ってコラージュするので、不要な雑誌を用意します
※当日の直感で写真をピックアップするので、ワークショップでどんな写真を使いたくなってもいいように、建物の写真 人物の写真 自然の写真 外国の写真 食べ物の写真など、様々な写真が載っている雑誌を、多めに用意することをお勧めします
※「我が家には切ってもいい雑誌はない!」という場合は、古本屋へGO!
5. 好きなお菓子・好きな飲み物・好きな音楽など
※右脳活用のキーワードは、「ワクワク」です。楽しくなるような環境を、積極的に準備しましょう
経営者 または マネージャークラスの方+チームビルディングをしたいメンバー
最大6名くらいがお勧めです。
グリーゼでは、社長の福田と、ディレクターの山口の2名が受講しました。
(グリーゼ江島が、ファシリテーターを務めました。)
10時~17時の7時間 (途中、ランチ休憩等含む)
※参加人数などによって、所要時間は異なります。
社長 福田が、開催の目的を説明しました。
ファシリテーター 江島が、「未来会議」ワークショップとは何か?を、簡単に説明しました。
アイスブレイクは、以下のことを目的に実施します。
・参加者に心身ともにリラックスしていただく
・右脳のスイッチを入れていただく
・ワークショップで行う「コラージュ」のやり方を体験していただく
やり方は様々ありますが、今回は、雑誌からランダムに切り抜いた5枚の写真を使って、「私の幸せな一日」という物語を作る、アイスブレイクを実施しました。
「へぇ、あの5枚の写真を、こんな風に使うんだ!」など、お互いに対する発見があり、笑いも起ったりして、徐々に「場があたたまって」きます。
参加される方々の緊張度合などによっては、ゲームをしたり、身体を動かしたりする場合もあります。
【ディレクター山口の「幸せな一日」】
何年後を設定するかは、企業さまによって異なりますが、
・「いまの延長でイメージできてしまうような近い未来」ではなく、かつ
・「全く想像もできないくらい遠い未来」でもない
くらいが、ちょうどよいようです。10年前後を設定する企業さまが多いです。
グリーゼでは、8年後をイメージすることにしました。
・8年後に、自分がどうなっていたいか(暮らしも、家族も、仕事も)
・8年後に、どんな人と一緒に仕事をしていたいか
・8年後に、誰の(どんな企業の)どんな課題を解決できる会社になっていたいか
・8年後に、会社がどんなふうになっていたら嬉しいか(建物の様子・オフィスの中の様子・会社がある場所・規模 など)
・・・などをそれぞれが考えて、各自が持ってきた雑誌の中からイメージに近い写真を切り貼りして未来像を描き、出来上がった作品を発表し合いました。
【社長 福田多美子の「私が考える、2030年のグリーゼ」】
このあとPART2では、個々が作成した未来像を統合して、1枚の絵に仕上げていくのですが、いきなりPART2に進める企業さまはほとんどありません。
PART2に進む前に明確にしなければならないことを、全員で話し合っていきます。
グリーゼの場合は、以下の2つの点について、ディスカッションを行いました。
A:言葉の定義を明確にする
PART1のアウトプットで書かれていた言葉が、下記の例のように非常に抽象的だったので、ひとつひとつ具体的に落とし込んでいきました。
B:直接的な会社の「在り方」に繋げる
グリーゼの場合、PART1のアウトプットで書かれていたことが、「地球全体・社会全体をどう良くしていきたいか」という視点だったため、「グリーゼ」という会社として、お客様に対してどんな仕事をすることが、最終的に地球全体・社会全体を良くすることに繋がっていくのか?という視点に、ブレイクダウンさせていきました。
グリーゼの場合は、
A:言葉の定義を明確にする
B:直接的な会社の「在り方」に繋げる
がディスカッションのポイントでしたが、PART1のアウトプットによってやるべきことは変わりますので、臨機応変にファシリテートしていきます。
ディスカッションした結果を元に、全員で一枚の未来像を仕上げていきます。
ここでのポイントは、以下の5つです。
・できるだけ、大きい紙を使う
※紙の大きさの分だけ、アイデアやイメージが拡がるからです。
今回は、画用紙を4枚貼り合わせて使いました。
・できるだけ、全員の希望を取り入れる
※PART1でそれぞれが考えた未来像を、漏れなく盛り込むことによって、会社のビジョン&パーパスを、「自分ごと」と捉えることができます。
・まとめ方は、参加メンバーに委ねる
※たくさんの意見を1枚の絵の中にまとめ上げるのは、なかなか難しいものです。「ああでもない」「こうでもない」と言いながら、自分たちなりのものを創り上げることによって、より一層愛着の湧くものになります。
・思い切って視点を上げてみる
※どんなに右脳優先で作っても、無意識のうちに「これはさすがに無理だろう」というブレーキがかかってしまうものです。そのブレーキを思い切って外してみると、さらにワクワクが溢れてきます。
例えば、今回のグリーゼの事例では、「世界に影響を及ぼす人をお客様にしよう」ということでレディガガのイラストを貼ったり、「先進的な人と仕事をしたい」ということでスティーブ・ジョブスのイラストを貼ったりしました。8年後には、もしかしたら実現しているかもしれません!
・楽しい写真やイラスト、カラフルな色をたくさん使って、「楽しい絵」に仕上げる
※「未来会議」ワークショップで作った未来像は、会社の目立つ場所に貼ったり、スマートフォンの待ち受けにしたりして、何度も何度も見返すものになります。見るたびに「ワクワク」「ウキウキ」するようなアウトプットを目指しましょう。
このときに、参加メンバー全員が、嬉しくて、楽しくて、こどものような笑顔になっていたら、大成功です!
【完成! 「2030年のグリーゼ」】
「未来会議」ワークショップで得られるものは、以下の2つです。
(1) 会社のビジョン&パーパスを、「見える化」した、ワクワクする「1枚の絵」
(2) 同じ未来をワクワクしながら目指すチーム力
上記は、株式会社グリーゼが実施した「未来会議」ワークショップの事例です。
内容は、参加者の状況・反応を見ながら、ファシリテーターが臨機応変にカスタマイズしていきます。
また、参加人数が多い場合には、PART1とPART2を別の日に実施するなど、進め方も、参加企業さまによって、柔軟に変更しております。
ビジョン策定&チームビルディングのための「未来会議」ワークショップに興味を持ってくださった方は、ぜひお気軽にご相談ください。
最後に、お客様の声をご紹介します。
今まで、一人で走っていて、振り向けば誰もついてきていない・・・という状態が、長く続いていました。
社員が、「やらされ感」ではなく「自分ごと」として仕事に取り組んでくれるような会社を目指して、いろいろな方法を試してきたのですが、なかなか思いが伝わらずに空回りしてばかり。
それが、「未来会議」ワークショップの後は、社員がイキイキとしていて、積極的に意見を言ってくれるようになり、チームとしての一体感がひしひしと感じられるようになりました。本当にありがとうございました!
今までは、社長がどこに向かっているかよくわからなかったし、会社の目標と自分は全く関係ないと思っていたので、「私は、私がやるべきことを、淡々とやるだけだ」と思っていました。
「未来会議」に参加したことで、自分の未来と会社の未来が繋がっていて、会社が成長することで世の中も良くなるし、自分も幸せになれるということが実感できて、ワクワクしました。
イメージに合う写真を一生懸命探したり、キラキラのペンで絵を描いたりしたのも、とても楽しかったです!