2019年9月、某企業様の社内研修『コンテンツライティング講座 構成編』に江島が登壇。研修には、営業やマーケティング、技術などの部署に在籍し、自社サイトに掲載するブログを執筆している社員の方々が参加されました。すでに同社のサイトには質の高いブログが多数掲載されているので、ブログの品質をさらに高めるために、「MA導入企業のためのコンテンツマーケティング担当者育成パック」の「コンテンツライティング講座 構成編」を中心に、一部をカスタマイズして開催しました。
研修会場以外にも、国内2拠点をインターネットで接続し、約40名の社員の皆さまが参加してくださいました。
このレポートでは、約7時間にわたって開催されたセミナーのなかから、「読み手のステージによって、コンテンツの役割がどう変わるのか」にポイントを絞ってレポートします。
セミナー概要
□セミナータイトル:コンテンツライティング講座 構成編
□開催:2019年9月
□講師:株式会社グリーゼ 代表取締役 江島民子
□会場:某企業様(ソフトウエア開発・販売およびコンサルティング事業)本社会議室
今、BtoB企業の現場では、従来の電話や訪問などの営業手法が通用しなくなっているといわれています。お客様は営業担当に会う前に、自分で購入商品を決めてしまう傾向があるからです。グリーゼの行った調査では、BtoBの顧客の77%が、「営業担当に会う前に購入商品を決めている」と答えています。
お客様が商品に関する情報収集や商品選定を行うときに参考にしているのが、企業のWebサイトです。企業は、お客様に自社商品・サービスの存在を知ってもらい、最終的には自社を選んでいただけるように、サイト内で十分な情報提供をしていく必要があります。そのために必要なのがコンテンツです。コンテンツには、次の4つの役割があり、それぞれ読み手のステージ(※)を、次のステージに引き上げる役割を担っています。
※ステージは、自社サービスについてどの程度、関心があるかによって、次の5つに分けられます。
「非認知」...サービスについてまだ知らない
「認知」...サービスについて知っている
「興味関心」...サービスについて興味があり、より深く知りたいと思っている
「比較検討」...サービスの購入を検討していて、他社製品と比較している
「商談・購入」...購入するサービスを決め、購入する
■コンテンツの役割(1)Webサイトへの集客
キーワードで検索した人を自社のWebサイトに集客するためのコンテンツです。読み手が自社のサービスについて知らなくても、検索によって自社サイトにたどり着き、自社および自社サービスと出会うことを狙います。
そのためにはキーワードで検索した人の課題に応えるコンテンツが必要となります。このコンテンツをきっかけとして、それまで自社サービスについて「非認知」だった人を「認知」のステージへと引き上げることができます。
【コンテンツ例】ブログ(SEOタグ含む)、動画など
■コンテンツの役割(2)リードを獲得する
サービスについて「認知」している人に、さらにアプローチしていくためには、メールなどでコミュニケーションをとったり情報提供をしていったりする必要があります。そのためには、将来、顧客となりうる人たちのメールアドレス(リード)を獲得する必要があります。リードを獲得するためのコンテンツには、サービスを「認知」している人が、それを読むことによって、サービスに興味関心を持つきっかけになるような調査レポートなどのコンテンツを制作します。ダウンロードさせることによって、情報を提供するのと引き換えにメールアドレスを獲得することを目的としたコンテンツです。
【コンテンツ例】ダウンロード資料(調査レポート、導入事例など)
■コンテンツの役割(3)購買意欲を育成する
自社のサービスを購入・導入した企業の事例や、読者が抱えている課題を自社サービスが解決できることを浮き彫りにした調査レポートなど、サービスに「興味関心」を持っている人の購買意欲を育成するためのコンテンツです。読み手が、他社製品との「比較検討」のステージに移行したときに、自社のサービスを選択したくなるような情報を提供します。
【コンテンツ例】ダウンロード資料(調査レポート、導入事例など)
■コンテンツの役割(4)コンバージョンへの誘導
他社サービスと自社サービスを「比較検討」していた人に、競合のなかから自社を選択させ、「商談」に結びつけるためのコンテンツです。(3)の資料をダウンロードするなどの行動があると、確度の高い「見込み客」であることが分かります。その購入意欲がある程度高まっているリードに対して提示し、商談や問い合わせへとつなげるための、成功事例や説明会、相談会、料金表、などのコンテンツを作成しておきます。
【コンテンツ例】成功事例、問い合わせ、相談会、無料デモ申込み、料金表など
Webサイトに掲載するコンテンツは、「ある状態の人を、ある状態に変えること」を意識して制作することが大切です。それがないコンテンツはただの情報発信になってしまいます。約8割の人がWebサイトを比較しながら購入サービスを決めている今、本レポートで紹介したように、お客様の「ステージ」ごとに、次の「ステージ」へと引き上げられるコンテンツを作成しておくことが、読み手に行動を起こさせるポイントです。
そのためには、やみくもにコンテンツを増やすのではなく、今、サイト上にあるコンテンツを洗い出し、各ステージにいる顧客に提供できるコンテンツが不足していないかを把握したうえで、必要なコンテンツを作っていくことが大切です。
同セミナーでは、これらの基礎知識のほか、セミナー中盤以降は、文章の組み立て方(フレームワーク)などをじっくりと解説。長時間でしたが、ワークショップの時間も多く、参加者同士で回答をシェアするなどして、和気あいあいとした雰囲気で終了しました。
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MAを運用するためには、コンテンツが重要であることに、多くの企業様が気付き始めています。「コンテンツを内製したいが、なかなか難しい」という声もひんぱんに聞くようになりました。
今回のような、企業様に出向いて行う社内セミナーだけでなく、外部のライティングセミナーにも、グリーゼの江島と福田が講師として登壇し、毎回、たくさんの受講者の方に参加いただいています。
ライティングの基礎、構成、メールライティングなど、貴社の課題に合ったセミナーがありましたら、ぜひご参加ください。