こんにちは。株式会社グリーゼの福田多美子です。
コンテンツ制作を、外注したいと思ったことはありませんか?
外注(アウトソーシング)の検討は、業務の効率化だけではなく、ビジネスの成果を高めるための手段としても重要な選択肢です。
弊社は、外注先として「コンテンツ制作」のお仕事をいただいている立場です。「コンテンツ制作を、どんどん外注してください」と言いたいのが本心です。
ところが・・・
私自身、コンテンツの仕事に携わって約20年。「BtoB企業にとって、コンテンツ制作を外注することは、ほんとうに正しいことなのだろうか」と考えるようになりました。
今回と次回の2本のコラムでは「外注か内製か? BtoB企業のコンテンツ制作の舞台裏 」と題して、BtoB企業のコンテンツ制作の在り方について、考えてみたいと思います。
今回は、外注、内製のメリット・デメリットを整理してみます。
メリット | デメリット | |
外注 | ✔ 社内のリソースを軽減できる ✔ プロのノウハウを吸収できる |
✔ コミュニケーションに時間がかかる ✔ 外注先に、専門知識が少ない ✔ 社内にノウハウを蓄積できない |
内製 | ✔ コミュニケーションが円滑 ✔ 専門知識が豊富 ✔ ノウハウを蓄積できる |
✔ リソースの確保が必要 ✔ コンテンツ制作のノウハウがない |
外注のメリットは、主に次の2点です。
・社内のリソースを軽減できる
・プロのノウハウを吸収できる
BtoB企業のマーケティング担当になったという多くの方から
「Webサイトにどんなコンテンツを作っていけばいいですか?」
「SNSでは短い文をよく書きますが、ある程度まとまりのある文章は苦手です」
という言葉が発せられます。
ひとことで「コンテンツ制作」といっても、以下のような制作工程があります。 例えば「ブログコンテンツ」を1本制作する場合、そのブログを誰が読むのか(ペルソナ)、どんな目的でそのブログを作るのか、などを企画するところからはじまります。
ブログを読む前の、読者のインサイトを分析し、ブログを読んだ後にどんなインサイトへと導くのかを設計することも重要です。
弊社も含め、「コンテンツ制作」を専門とする外注先企業は、たくさんあります。
専門会社と組むことによって、コンテンツ制作のノウハウを学びながら、プロのライティングテクニックも吸収できます。
経験のない社内スタッフだけで内製を試みるよりも、外注化によって社内のリソースを軽減することもできます。
【外注のメリット:まとめ】
BtoB企業のコンテンツマーケティングをゼロからスタートする場合、外注の力を借りて効率的に立ち上げていくことを推奨します。少なくとも、立ち上げから軌道に乗るまでは「プロのノウハウを吸収する」という目的でもいいので、外注を検討してみましょう
外注のデメリットは、主に次の3点です。
・コミュニケーションに時間がかかる
・外注先に、専門知識が少ない
・社内にノウハウを蓄積できない
BtoB企業の「コンテンツ制作」を外注する際の難しいところは、発注元企業のもっている情報を、外注先企業に知らせる、理解させるところだと思います。
専門知識のある外注先、ライターを手配できたとしても、発注元企業と同等の知識、情報をもっているわけではありません。
発注元企業では、共有すべき情報を集め、整理して伝えるという仕事が新たに発生することになります。
情報伝達のために、対面のミーティング、電話、Web会議、またはメール等でのやりとりが発生します。外注先が制作したコンテンツを、社内でチェックし、フィードバックするなどの作業も忘れてはいけません。
外注先との取引が長期化するにつれて、コミュニケーションもスムーズになり、「外注のメリット」に書いた「社内リソースの軽減」を実感できると思います。ただし、プロジェクトの立ち上げ段階では、ある程度、社内リソースが必要だということを理解しておいてください。
また、外注先への依存度が高ければ高いほど、社内にノウハウを蓄積できず、いつまでも外注費用がかかってしまう点も、デメリットに該当するでしょう。
【外注のデメリット:まとめ】
前の項目で、外注のメリットとして「リソースを軽減できる」と書きましたが、外注してもある程度の手間はかかるものです。これをデメリットと捉えるのではなく、「社内のリソースも十分かけて、プロのやり方を吸収する」ことを目的にして、プロジェクトを遂行することが賢明です。社外とのコミュニケーションを通して、社内の知見を見える化し、将来内製化する際に役立てましょう。
内製のメリットは、主に次の3点です。
・コミュニケーションが円滑
・専門知識が豊富
・ノウハウを蓄積できる
内製のメリットは、「外注のデメリット」の裏返しだと理解してください。
コンテンツ制作のすべてを内製できれば(つまり外注先がいなければ)、社内だけの円滑なコミュニケーションが実現できます。
打合せを行う場合や、ちょっとした確認作業などでも、社内スタッフだけのプロジェクトのほうがスムーズに進めることができるはずです。
内製の場合、製品やサービスに関する共通認識がある前提で、コンテンツ制作をスタートすることができます。担当者しか知らないような専門的な情報も、入手しやすい、ヒアリングしやすいなどのメリットもあります。 内製の場合、最初は不慣れでスケジュール通りに進まないことや、失敗を繰り返すかもしれません。それでも、担当者自身で調べ、学び、試行錯誤を繰り返すことによって、社内に多くの経験、ノウハウを蓄積できます。ここは、内製でコンテンツを制作する大きなメリットです。
【内製のメリット:まとめ】
コンテンツ制作の立ち上げを外注先と一緒に行い、将来的には、社内のコンテンツ制作チームですべて実行できるようになることを推奨します。最初は、1本のコンテンツを作るために、時間やコストがかかります。ただし、長期的に考えれば、社内にコンテンツ制作体制をもっていることは、企業の強み、財産になるだろうと、私は考えています。
内製のデメリットは、主に次の2点です。
・リソースの確保が必要
・コンテンツ制作のノウハウがない
コンテンツ制作を行う場合、未経験の方は「なにから着手すればいいのか」ということから悩むかもしれません。例えば導入事例を作る場合でも、取材に行って何を聞けばいいのか、聞いてきたことをどのように整理して事例として文章化すればいいのか・・・途方に暮れてしまうでしょう。
BtoB企業では、マーケティング部門(コンテンツ制作部門を含む)を立ち上げたばかりという企業も多く、リソース不足も深刻です。
内製のデメリットは、冒頭の「外注のメリット」の裏返しになります。
社内にコンテンツ制作のリソースが足りない、ノウハウがないという点は、コンテンツ制作初心者の担当者にとっては、大きなデメリットになります。
【内製のデメリット:まとめ】
社内の経験不足、リソース不足の場合は、内製することを断念して外注の力を借りましょう。コンテンツ制作を将来内製化したいと考えている場合は「将来的に社内でコンテンツ制作のすべてを行えるようになりたい。教育もかねて、付き合ってほしい」と最初に伝えておくとよいでしょう。
BtoB企業のコンテンツ制作の現場で、コンテンツ制作を外注するか内製にするかを迷うケースは多いと思います。
外注していながら「内製に切り替えられるのではないか」と考えたり、逆に内製していながら「外注したほうがよいのか」と考えたり・・・
私は、外注と内製、それぞれのメリット・デメリットを考慮し、以下の進め方を推奨します。
私は、ステップ3の「内製化」が、今後BtoB企業のコンテンツ制作のポイントだと考えています。
BtoB企業のコンテンツ制作は「もっと内製にシフトしたほうがよいのではないか」と考えているのです。
次回は、「なぜ、BtoB企業のコンテンツ制作は、内製にシフトしたほうがよいのか」について考えていきたいと思います。
お楽しみに。
▼「外注か内製か? BtoB企業のコンテンツ制作の舞台裏 ~なぜ、BtoB企業のコンテンツ制作は、内製にシフトしたほうがよいのか~(後編)」はこちら!