こんにちは。グリーゼ代表取締役の江島です。
弊社のコンテンツ制作のお見積りでは、必ず合計金額に対して、20%の「管理費」を計上させていただいております。
弊社の場合、管理費とは「ディレクターの稼働に対する費用」です。
そして、「ディレクター」の存在こそが、クラウドソーシングなどを通じて個人事業主にコンテンツ制作を依頼する場合と、弊社のようなコンテンツ制作の会社に依頼する場合との大きな違いであると考えています。
では、「ディレクター」とは、一体何をする人なのでしょうか?
よく「ディレクターは、建築における現場監督のような存在だ」と言われますが、その具体的な業務とは?
以下で、主な役割をご紹介します。
コンテンツ制作のチームは、ライター・デザイナー・カメラマン、時にはシステム担当者や翻訳者など、複数のメンバーで構成されています。
クラウドソーシングなどを通じて個人事業主にコンテンツ制作を依頼する場合には、発注者自身がその一人一人と以下の「ディレクターの役割2~6」についてのやりとりをする必要があり、非常に工数もかかりますし、ストレスもかかります。
その点、ディレクターがいれば、ディレクター1人とだけやりとりをすればよく、制作工程の中で直接ライターやデザイナーとやりとりする場面であっても、必ずディレクターはそのやりとりを把握していますので、何か齟齬やトラブルが起こった場合には、ディレクターと話をすれば済みます。
このメリットは、コンテンツ制作のボリュームが大きければ大きいほど、際立ってきます。
▽クラウドソーシングなどを通じて個人事業主にコンテンツ制作を依頼する場合
▽コンテンツ制作を弊社のようなコンテンツ制作の会社に依頼する場合
見積り・受発注処理・請求などの仕事も、弊社では主にディレクターが担っています。
見積りに何が含まれていて、何が含まれていないのかはディレクターが把握しており、見積り外の業務が発生した場合に、発注者と費用についてお話しするのも、弊社では主にディレクターの仕事になります。
機密保持契約書・業務委託契約書などの内容を法務に確認し、締結までの処理を進めるという仕事も、弊社では主にディレクターが担っています。
契約内容に何が含まれていて、何が含まれていないのかはディレクターが把握しており、契約外の事象が発生した場合に、どのように取り決めをするかを発注者とお話しするのも、弊社では主にディレクターの仕事になります。
契約が締結され、正式にご発注をいただいた後に待ち受けているディレクターの重要な仕事が、チーム編成です。
弊社は、信頼できる優秀な制作スタッフを数十人抱えておりますが、どの制作スタッフも常にたくさんの業務を抱えているため、各制作スタッフの負荷を確認・調整しながら、プロジェクトメンバーを決めていく必要があるのです。
また、スケジュールに余裕があれば誰でもいいというわけではなく、BTOCが得意なのか?BTOBが得意なのか?、IT/HR/金融など案件に関連した知識・経験があるのか?、取材が含まれる案件の場合には取材にも行ってもらえるのか?など、様々な条件を加味しながら、手配していく必要があります。
そのため、優秀なディレクターの頭の中には、「〇〇さんは、□□は得意だけど、△△はいまいち・・・」とか、「◇◇さんは、〇〇の業務は任せられるけど、◎◎の業務はちょっと苦手だから他の人にサポートに入ってもらう必要がある」など、たくさんのデータが書き込まれています。
たとえば、テキスト(文字)だけのブログ記事を制作する場合でも、細かく言うと以下のような工程があります。
【例】
① 打ち合わせ
② 要件定義
③ 企画
④ 発注者による要件定義・企画の確認
⑤ ヒアリング・取材の日程調整
⑥ ヒアリング・取材シートの作成
⑦ ヒアリング・取材
⑧ 構成設計
⑨ 発注者による構成の確認
⑩ 構成の修正
⑪ 発注者による構成の再確認
⑫ 第1稿執筆
⑬ 校正
⑭ 発注者による第1稿の確認
⑮ 第2稿執筆
⑯ 校正
⑰ 発注者による第2稿の確認
⑱ 第3稿(最終稿)執筆
⑲ 校正
⑳ 発注者による第3稿(最終稿)の確認・検収
これらのひとつひとつを「誰がいつまでにやるのか」をあらかじめ決めて、予定通りに終わらせていかなければ、お約束の納品日を守ることはできません。
実際には、写真の選定が含まれたり、図版の制作が含まれたりするので、1つのコンテンツを制作するだけでも、工程はもっともっと複雑です。
しかも、複数のコンテンツ制作が並行して動くことが多いので、制作スケジュールを引くだけでも大仕事なのです。
さらに、「打ち合わせの日がずれた」「要件が途中でひっくり返った」「発注者からのお返事が予定の日までにこなかった」など様々な理由で、何度も何度もスケジュールの調整が必要になります。 そのような状況の中で、しっかり納期を守ることができているのは、ディレクターが日々全体を見渡しながら、進行状況に目を光らせているからこそ、なのです。
納品物の品質を管理するのも、ディレクターの重要な仕事のひとつです。
品質管理には、以下の3つの意味合いがあります。
① 納品に耐える品質なのか?
プロが制作しているのですから、「納品に耐える品質である」のが当然なのですが、制作者も人間ですので、
・たまたま、前知識のない商品・サービスだったために、内容が薄くなってしまった
・たまたま、複数の案件が重なって十分な推敲ができず、少し雑になってしまった
・たまたま、体調が悪かったために、論旨に揺れが出てしまった
などということも起こり得ます。
そんなときに、水際で食い止める(=納品前に気づいて、修正する)ことができるのは、ディレクターがいればこそ、です。
② 発注者の要件にマッチしているのか?
要件定義をし、企画をし、構成設計をして制作に臨んでも、出来上がったものを見てみると、「発注者がイメージしいるものと、微妙にズレている」ということは、複数のメンバーが絡んでいる以上、起こり得ることです。
このズレに気づくことができるのも、発注者とこまめにコミュニケーションを取り、発注者が実現したいことを誰よりも把握しているディレクターがいればこそ、です。
③ レギュレーション(規約)にマッチしているのか?
複数のメンバーで制作を担当する場合、どうしてもトーン&マナー、深さなどに、差異が生まれてしまいます。
その差異をできるだけ小さくするために、制作前に、「どのようなアウトプットにしていくのか」という意識合わせや、レギュレーション(規約)決めを行います。
それでも、出来上がったものに微妙なバラツキが出てしまうことはありますので、レギュレーションを管理し、レギュレーションに合わせて制作物を均質化していくのもディレクターの仕事になります。
いかがでしょうか?
弊社のディレクターは、上記に記載したような現場監督的な業務以外にも、コンサルティングを担当させていただいたり、構成の設計や校正などの制作工程の一部を担当させていただいたりすることも多いため、幅広い知識とスキルを身につけています。
彼女・彼らがいるからこそ、コンテンツ制作のパートナーとして多くの企業様から信頼していただくことができているし、ライターやデザイナーなどの制作スタッフとも長期間にわたりよい関係を築くことができていると考えています。
ディレクターが様々な役割をこなすスーパーマンのような存在であり、コンテンツ制作の要(かなめ)であることが、少しでもご理解いただければ幸いです。