
2018年11月29日、東京青山でトライベック・ストラテジー株式会社と株式会社グリーゼがマーケティングオートメーションのセミナーを共催しました。第一部ではトライベック・ストラテジー株式会社データドリブンマーケティング部の清野勇一氏が「マーケティングオートメーションをシンプルに活用するためのポイント」を、第二部では弊社取締役の福田が「マーケティングオートメーション( MA )運用を成功させるコンテツの作り方」を、それぞれ解説いたしました。
セミナータイトル:「マーケティングオートメーションをシンプルに活用するためのポイント」と「マーケティングオートメーション運用を成功させるコンテンツの作り方」
開催日:2018年11月29木曜日 15:30~17:00
第一部:マーケティングオートメーションをシンプルに活用するためのポイント
講師:トライベック・ストラテジー株式会社データドリブンマーケティング部マネージャー 清野勇一氏
第二部:マーケティングオートメーション運用を成功させるコンテンツの作り方
講師:株式会社グリーゼ取締役 福田多美子
会場:サポタント株式会社 セミナールーム
■MAが役に立つこと
はじめに、トライベック・ストラテジー株式会社データドリブンマーケティング部マネージャー清野勇一さんのお話です。トライベック・ストラテジーは2001年設立、デジタルマーケティング支援事業とマーケティングプラットフォーム事業を展開している会社です。同社のマーケティングオートメーションツール「HIRAMEKI」は、同社のマーケティングプラットフォーム事業部が開発しています。
マーケティングオートメーション(MA)とは何かという説明がなされた後、BtoB企業の活用事例とBtoC企業の活用事例が、それぞれ紹介されました。MAが日本に本格的に導入され始めた3年ほど前、MAが「魔法の箱」としてもてはやされた事が紹介され、実際にはシナリオ設計が、特にユーザーの行動データのインプットを踏まえたシナリオ設計が重要である旨が説明されました。
続けて、MAを実際に導入するに際し、「導入」と「運用」の壁に阻まれるケースが多いことが紹介されました。導入する企業の技術的な問題や、サポートの不足などが往々にしてあり、導入そのものが不十分に終るケースが少なくないそうです。よって、しっかりとサポートをしてくれる会社と組むことが重要とのことです。
HIRAMEKIの特徴が説明されました。HIRAMEKIは、ウェブサイト特にオウンドメディア上のユーザーの行動データを網羅的に取得できるのが最大の特徴で、他のMAツールとの違いになっているそうです。
■MAの運用を成功に導くシナリオの考え方
次に、「MAの運用を成功に導くシナリオの考え方」の説明です。MAの運用を成功させるにはカスタマージャーニーを把握することが重要です。ユーザーの行動をフェーズに分け、全体像をマップにするなどして明確にする必要があります。そして、それぞれのフェーズにおいて最適のコンテンツを用意する必要があります。
また、実際にデータを取得して検証することも必要です。当初のシナリオと比較し、すべてのフェーズにおけるユーザーの行動を分析し、常にPDCAを回してゆくことでパフォーマンスを向上させてゆくことが可能になります。
HIRAMEKIの特徴として、ビジュアルで分かりやすい点があります。コンテンツごとのコンバージョンレートなどをグラフで視覚的に把握することが可能です。また、ウェブサイトや動画を、ユーザーがどのように見ているかも把握できます。HIRAMEKIを一言で言うと「使いやすい、わかりやすい」になりそうです。また、手厚いサポートもHIRAMEKIの特徴です。
■MA導入企業の取り組み状況
最後に、MA導入企業の取り組み状況として、ある金融機関のケースと、BtoB系メーカーのケースが紹介されました。いずれもカスタマージャーニーがしっかりと定義され、高い営業パフォーマンスを挙げていることが紹介されました。ウェブ上で資料請求したユーザーにMAが自動メールでフォローし、来店へ向けたアクションを促す事例なども紹介されました。
第二部では、マーケティングオートメーション運用を成功させるコンテンツの作り方という演題で、弊社の福田がお話をいたしました。
■マーケティングオートメーション (MA) を成功させるコンテンツの作り方
冒頭、「なぜ、コンテンツが必要なのか?」という問いかけがされました。それは、どんなに素晴らしいウェブサイトがあっても、またはどんなに素晴らしい商品やサービスがあっても、あるいはどれほど素晴らしいMAツールがあっても、さらにはどんなに優れたスタッフがいても、ユーザーを引き寄せられなければ全く意味がないからです。それゆえ、ユーザーを引き寄せるためのコンテンツが必要なのです。コンテンツは、ウェブマーケティングを成功させるガソリンのようなものなのです。
では、どのようなコンテンツをつくる必要があるでしょうか。まず、コンテンツをただやみくもに作ればいいわけではありません。ユーザーは、それぞれカスタマージャーニーを辿って成約へと至ります。よって、カスタマージャーニーの各フェーズにそれぞれマッチしたコンテンツを作ることが効果的で効率的です。
例えば、「非認知」「認知」「興味関心」「比較検討」というフェーズで構成されるファネルがあった場合、「非認知」から「認知」へ移行させる、つまり「集客」のためにはSEOに配慮したコンテンツが有効です。ユーザーが検索でマッチするキーワードを多く含んだ記事などを書くイメージです。
「集客」の次は「リード獲得」のためのコンテンツです。せっかくユーザーを集客しても、メールアドレスを置いていってくれなければリード獲得になりません。調査レポートなどを提供することでメールアドレスや氏名といった個人情報を取得することが可能になります。
「リード獲得」の次は「リード育成」のためのコンテンツです。ユーザーを育成し、商談化、成約へと至らしめるためのコンテンツが必要です。導入事例などのeBookなどが有効です。
ここまでが、全体像です。このあと「集客」「リード獲得」「リード育成」について具体的な話がありました。
■集客:新規顧客を集めるためのコンテンツ
まずは、キーワード選定のポイントです。「集客」で重要なのは、キーワード選定です。
例えば、「ラクチン経費精算」という経費精算業務効率化ツールがあったとした場合、「非認知」のフェーズでは、ユーザーは「交通費精算 効率化」などのキーワードで検索してくる可能性が高いでしょう。よって「交通費精算 効率化」というキーワードが盛り込まれた記事を用意しておくことが重要です。
■リード獲得:メールアドレスを獲得するためのコンテンツ
リード獲得には「eBook」がおすすめです。最近はメールマガジンからのリード獲得が難しくなっていて、一方でeBookの効果が上がっています。ホワイトペーパーなどのeBookをPDFで用意しておき、メールアドレスなどを入力してもらってダウンロードしてもらうといいでしょう。
また、eBookはフェーズに合わせたものを用意する必要があります。「非認知」から「認知」へと促す段階では調査レポートなどを用意するといいでしょう。調査レポートを提供することで認知の浅いユーザーのリードを大量に獲得することが可能になります。調査レポートはプレスリリースとしても使えるので、高いマーケティング効果が期待できます。
■育成:リードを育成するためのコンテンツ
リード育成のためのコンテンツとして有効なのがメールです。では、どのようなメールを、どのように送ればいいでしょうか。
ポイントの第一は、ユーザーが最も興味を持っているタイミングで出すことです。例えば、セミナーの資料を送信する場合、セミナーの当日か翌日には出すべきです。時間がたつと開封率が下がります。
第二に、メールの開封率を高めるにはメールの件名と差出人名が重要です。グリーゼが実施した調査では、「件名が自分が興味・関心があることに関連していたとき」のメール開封率が最も高かったです。件名をできるだけキャッチーにすることがポイントです。
第三に、メールをスマートフォン対応にすることが重要です。最近はBtoBのユーザーでもメールをスマートフォンで見る人が増えています。ユーザーがスマートフォンで読んでも読みやすいメールにする必要があります。
第四に、メールをシンプルにまとめることも重要です。最近はメールがどんどん短くなっていて、昔のような長いメールは読まれません。メールマガジンでも長いと読まれず、最悪の場合解除されてしまいます。1テーマに絞って手短にメールを配信するのがポイントです。
■最後に
最後に、グリーゼが提供している「MA活用を成功させるためのコンテンツマーケティング導入パック」「MA導入企業のためのコンテンツマーケティング担当者育成パック」の二つのサービスが紹介され、第二部のセミナーが終了しました。
また、HIRAMEKIのデモンストレーションも行われ、受講者もたくさんの質問をするなど、活況のうちにセミナー全体が終了となりました。
※グリーゼではほかにも、BtoBメールマーケティング、マーケティンオートメーション事例等の無料セミナーを開催しています。こちらからご確認のうえ、ぜひご参加ください。