2019年2月22日、グリーゼ本社オフィスにて「コンテンツライティング講座 メール編」を開催しました。
本レポートでは、6時間にわたって開催されたセミナーのなかから、「いまさら聞けないメールの五つの指標」についてご紹介します。
□セミナータイトル:コンテンツライティング講座 メール編
□開催日:2019年2月22日(金)10:00~16:00
□テーマ:成果に繫がるBtoBメールのライティングスキルを学ぶ
□講 師:株式会社グリーゼ 代表取締役 江島民子
□会 場:株式会社グリーゼ本社(東京都世田谷区駒沢2-16-18 ロックダムコート202)
メールの成果を計るには、どのような指標が有効なのでしょうか?
本セミナーでは五つの指標について、それぞれの意味合いや数値を上げていくための方法などを紹介しました。
➀開封率とは?
メールの「配信数」に対する、「開封数」の割合です。
母数を、「配信数」(メールを配信した数)ではなく、「到達数」(メールが届いた数)にする場合もあります。
②測定方法
HTML形式で配信したメールについては、ほとんどのメール配信ツールで開封率を計測することができます。
③数値を上げていくためのポイント
自分が受信者の立場になって考えると、日々膨大に届くメールのうち、開封するメールは限られていることがわかります。では、開封されるメールと開封されないメールは、何が違うのでしょうか?
受信者が見ているのは、主に「件名が、自分の課題や関心に合致しているかどうか」という点です。
「ちょうど興味を持っていた!」というタイミングで、興味を持っていることに関連した件名のメールが届けば、詳細を知りたくてメールを開封してもらえます。
ですから、読者が「いつ」「どんなことに」課題や関心を持っているかを知ることは、開封率を上げるために、とても重要です。
➀転換率とは?
メールの「クリック数」に対する、「転換数」(資料請求/セミナー申し込み/問い合わせなど)の割合です。コンバージョンレート率(CVR)と呼ばれることもあります。
母数を、「クリック数」(該当URLをクリックした数)ではなく、「開封数」(メールを開封した数)にする場合もあります。
②測定方法
「クリック数」や「開封数」はメール配信ツールで取得できますが、「転換数」が取得できるメール配信ツールはほとんどありません。
「転換数」は別の管理ツールで取得した上で、計算をする必要があります。
③数値を上げていくためのポイント
「無料」や「プレゼント」などの宣伝文句を件名に入れて開封率を上げても、転換率が上がるとは限りません。
例えば、セミナーに申し込んでいただくことが目的のメールをイメージしてみてください。
開封率を上げるために件名に「無料プレゼント!」と入れた結果、高い開封率を実現できたとしても、セミナー申し込みが0人であれば、メールの目的は達成できなかったということになります。
しかし、そのセミナーを必要とする人に刺さる件名であれば、たとえ開封率が低くても転換率は上がります。
この例のように、転換が目的の場合には、「最終的なゴールに行きつく人に開封してもらえるような件名」にすることが重要です。
➀精読率(通読率)とは?
最後まで読み通したかどうかの指標です。新聞では10%程度といわれています。
②測定方法
メール配信ツールで、測定することはできません。
そこで、メールの最下段に掲載したURLのクリック率を計測したり、編集後記に対する返信反応で判断したりします。
③数値を上げていくためのポイント
まず、ファーストビュー(スクロールせずに読める導入部分)が読みやすく、読者の興味を瞬時にひきつけ、先を読み進めたいと思わせる内容であることが重要です。
また、読み手が興味を持ちそうなキーワードを目次に入れて、メールの下の方にある情報までスクロールしていただくことも重要です。
➀クリック率とは
「配信数」に対する、メール内のリンクをクリックした数の割合です。クリックスルー率(CTR)と呼ばれることもあります。
「配信数」ではなく、「開封数」を母数にして計算する場合もあります。
②測定方法
ほとんどのメール配信ツールで、測定が可能です。
メール配信ツールによっては、「誰がクリックしたのか」まで取得できる場合もあり、訴求内容の効果測定がしやすく、その後のマーケティング活動にも繫げやすい指標です。
③数値を上げていくためのポイント
上部のリンクほどクリックされやすいことは大原則ですが、誘導が早過ぎてもよくありません。読者の理解が進む前に誘導しても、興味を持たれないリスクがあるからです。
反対にメール内でURL掲載が遅すぎた場合、そこまで読んだ情報だけでじゅうぶんと判断され、クリックに繫がらなくなってしまうケースもあります。
タイミングを見極めるのは難しいですが、例えば、本文でいくつかのポイントをまとめて「続きはこちら...」といった誘導をしたり、キャッチコピーを工夫したりすることでクリック率を向上させることができます。
➀継続率とは
どのくらい読み続けられているかを測る指標で、解除率と対を成しています。
②測定方法
メール1通ごとの解除率は、メール配信ツールで計測することができますが、どの程度継続してメールを読み続けてくれているのかを計測できるメール配信ツールはほとんどありません。
各配信アドレスがメール配信リストに登録された日をデータとして持っているメール配信ツールであれば、そこから算出することができるでしょう。
③数値を上げていくためのポイント
メールは、解除されない方が良いだろうと考えがちですが、解除率そのものはあまり気にすることはありません。解除する人は一定数存在しますし、B to Bでは異動や退職でメールが不要になって解除される場合が考えられるからです。
ただし、時系列で確認した際に突出して解除数が多いメールは、その理由を改めて検証する必要があります。
解除が増える理由としては、以下のようなことが考えられます。
□展示会などで集めた名刺情報を、一気に配信リストに登録した
この場合、「そもそもメール配信が不要な人」が解除するだけですので、気にする必要はありません。
□何かしらの不快感を覚えた。(例えば、件名で必要以上に不安をあおった 等)
上記に起因する解除を減らしていくことで、継続率を高めることができます。
現代のB to Bにおいて、メールによるコミュニケーションは、企業のマーケティング戦略と密接に関連しています。
コンテンツライティングの中でも、メールに特化した本講座は、明日からの業務で使える知識とスキルを体系的に学んで習得できます。
確かな基礎力を身につけたいとお考えの企業は、ぜひコンテンツライティング講座 メール編の受講をご検討ください。