こんにちは。
グリーゼの 江島民子 です。
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いします。
2019年初の江島号は、こんな ↓ 私の実体験からご紹介したいと思います。
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◆Q: 優良顧客の離脱・・・一体、何が悪かったのでしょうか?
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ひいきにしている、銀座の隠れ家レストランがありました。
お料理とワインのマリアージュをウリにしているカウンターだけのお店。
お料理・ワインともにお任せのコースで、1人あたり1万5000円くらいです。
私にとっては、決して気軽に行けるお値段ではないのですが、オープンしてまだ2年目ということもあり、応援したい気持ちがあって、銀座周辺で食事をする機会がある時は、できるだけそのお店を使うようにしていましたし、SNSでもかなりPRしたと思います。
友だちもだいぶ連れていったし、昨年末には娘も連れていきました。
しかし・・・娘を連れていった日、私は店長さんに「残念ですが、もう行かないと思います」とメッセージを送りました。
一体、何が悪かったのでしょうか?
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A: 「お客さまは、何にお金を払っているのか?」を考えましょう
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その日は、店を出た時からずっとモヤモヤとした怒りがあったので、家に帰ってから「自分は何に怒っているのだろう?」と考えてみました。
その結果「1番大きな理由はこれだな」と思ったのが、「お料理の説明をちゃんとしてもらえなかった」ということでした。
いつもは1つ1つのお料理について、どんな素材を使っていて、どんな料理方法で作っていて、なぜ今回のメニューにこれが組み込まれているのかという店長さんの「思い」をゆっくり語ってもらえるのですが、この日は満席だった上に酔っぱらいのグループがワインの瓶を倒したりして手がかかっていたこともあり、店長さんとの会話がほとんどないままに、お料理だけがポンポンと出てきたのです。
すると・・・面白いですね。
いつもと同じ品数が出ていたはずなのに、「この内容で、この値段は、高すぎる!ひどい!!」と感じたんです。
つまり、私は、お料理やワインではなく「店長さんとのゆったりとした会話の時間」にお金を払っていたんですね~。
おいしいお料理やワインだけなら、1万5000円も出せば、他でも十分楽しめます。
それなのにこのお店に足しげく通っていたのは、店長さんのお料理に対する「思い」を目の前で語ってもらえるという「特別な体験」に価値を感じていたからだったようです。
特に、この日は20歳になったばかりの娘を連れていたので、「店長さんとの会話を味わうというレストランの楽しみ方もあるんだよ」ということを娘に教えたい、という気持ちが私の中にあったから、なおさら怒りを感じたのだと思います。
~ お客さまは、 "何"にお金を払ってくれているのか? ~
これを店側がちゃんと理解していないと、今回の例のように、ひいきにしてくれているお客さまをアッという間に失ってしまうことになるんだな・・・と非常に学びになった1件でした。
貴社も、一度「お客さまは、"何"にお金を払ってくれているのか?」をじっくり考えてみてはいかがでしょうか。
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編集後記
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ついでにもう一つ、「優良顧客が離脱した話」を。
お世話になっている方(Aさんとしましょう)と、新年会を開催しました。
2次会に行こうという話になったところ、Aさんが「オレ、いいお店を知ってるから!」と張り切って、タクシーを呼びました。
そして、タクシーの中で「ええと、何ていうお店だったかな・・・オオタさん、オオタさん」と言いながら、名刺入れをひっくり返し始めました。
お店の名前は忘れたけど、店長のオオタさんのことは、しっかり覚えていたんですね。
無事名刺が見つかって、タクシーはお店の前へ。
お店には電気がついていましたが、どうも後片付けを始めているようです。
しかし、以前来店した時にオオタさんとずいぶん仲良くなったらしいAさんは、「大丈夫、大丈夫。オレが言えば1杯くらい飲ませてくれるよ」と上機嫌で店に入ってきました。
ところが・・・。
片付けを始めていたお店の方に、冷たく「本日はもう閉店させていただきました」と言われてしまいました。
一瞬固まったAさんでしたが、気を取り直して、「いやあの・・・そうそう、オオタさんいますか? オオタさぁ~~~ん!」と、奥に向かって声をかけました。
オオタさんさえ出てきてくれれば、話が通ると思ったのでしょう。
すると、目の前にいた男性が、にこりともせずに、「私がオオタですが、なにか?」と答えました。
どうやら、以前来た時も酔っぱらっていたAさん、店長オオタさんの名前は覚えていたけれど、顔はうろ覚えだったようです。
「あ、いや、なんでもありません」・・・と、しょんぼり肩を落として店を出るAさん。
私は、心の中で「オオタさん、もったいない!!!」と叫びました。
Aさんは、気に入ったお店は、とことんかわいがってお金を落とす人です。
今回だって、わざわざタクシーを飛ばして来てくれたのです。
Aさんが「オオタさんいますか?」と聞いた時に、うそでもいいから、
「私がオオタですが・・・あぁ!もしかしてあの時の? いや~すぐに気がつかなくて申し訳ありません! あの時は、どうもありがとうございました!! もう閉店なんですが、せっかくですから、ぜひ1杯飲んでいってください」とでも言えば、常連さんが一人増えたところだったのに・・・。
客商売って難しいなあと、しみじみ思った出来事でした。
次回は、福田多美子がお届けします。
お楽しみに♪
*この記事は2019年1月24日現在の情報を元にしています。
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