グリーゼの江島民子です。
遅ればせながら・・・本年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年暮れ、MIJS(日本の有力ソフトウェアベンダーが集結する業界団体 Made In Japan Software & Service)で、コンテンツマーケティングに関するセミナーを実施しました。
最初に会社紹介で、「弊社はPardotとMarketoという2つのマーケティングオートメーション(以下、MA)ツールを自社で運用し、知見を積み重ねています」とお話したところ、こんな↓質問をいただきました。
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Q:PardotとMarketo、どこがどう違いますか?
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ご質問された方の会社は、セールスフォース社の「Pardot」を導入済みだそうです。
選定の時に、きっとAdobe社の「Marketo」とどちらにするか悩まれたのでしょうね。
実際、弊社がお付き合いしているBtoB企業では、PardotとMarketoの2大MAツールがシェアを二分しているように感じます。
では、この2つのMAツール、どこがどう違うのでしょうか?
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A:「基本機能」は、同じです。誰がどのように使いたいのかで選びましょう
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2015年だったと思いますが、Marketo社に取材をさせてほしいとお願いしたことがあります。
その頃、まだ日本にはMAツールの情報がほとんどなかったので、各ツールの特徴を紹介・比較するコンテンツを作ろうとしていたのです。
その時に、こんなことを言われたことを覚えています。
「あなたは、MAの何たるかをよくわかっていないでしょう?
MAの基本機能は、どれもみんな同じです。でも、細かく見ていくと全然違う。
それは、MAの何たるかをわかっていない人が聞いてもわかりませんよ」
その時は、「ずいぶん冷たいなあ。ちょっとくらい話してくれてもいいのに」と思いましたが、今になって振り返ると、「おっしゃる通りだなあ」と思います。
MAの基本機能は、どれもみんな同じなのです。
では、何が違うのかというと、以下の5つではないかと思います。
(以下、すべて個人の主観です。)
【1:開発思想】
ざっくり言うと、「マーケッターのためのものなのか」「セールスのためのものなのか」という根本の思想の違いがあるよう思います。
Pardotは、どちらかというとセールス側を向いて開発されているように感じますし、Marketoは、どちらかというとマーケッター側を向いて開発されているように感じます。
【2:ユーザーインターフェース】
これは、ずばり画面の「見た目」です。全くの好みだと思いますが、毎日使うものですので、結構「画面デザインが好きかどうか」は重要ではないかと思います。
実際にオペレーションされる方の意見を聞かれるとよいと思います。
私の印象では、Pardotは、どちらかというと男性に好まれ、Marketoは、どちらかというと女性に好まれる傾向があるのではないかと思います。
【3:操作性】
MAツールはただの「箱」で、その「箱」にいろいろな「命令」を仕込んでいくことによって、この「箱」が動き出します。ロボットのようなものですね。
この「命令」の与え方が、それぞれのツールで全然違うんですね。
Pardotは、1つの「トリガー」(きっかけ、例えばフォームの入力)に対して、「そのトリガーが発生したら何をさせるか」を「まとめて」仕込むことができるし、
Marketoは、1つ1つ噛んで含めるように教えていくような命令の出し方をします。
Pardotは、「慣れてくると非常に手っ取り早い」というメリットがある一方、「まとめて」あるために、慣れていない人には何が行われているかわかりにくいというデメリットがあるように思います。
逆に、Marketoは、1つ1つの命令が明記されているので何をやっているかはとてもわかりやすいです。しかし、毎回噛んで含めるように教える必要があるという「めんどくささ」があるように思います。
【4:分岐条件の柔軟性】
上記でも述べましたが、MAツールは、1つの「トリガー」(きっかけ、例えばフォームの入力)に対して、「そのトリガーが発生したら何をさせるか」という命令によって動いています。
そして、何を「トリガー」として設定できるかは、両システムで大きく異なります。
おおざっぱに言えば、Marketoの方が、「トリガー」として設定できることが多いです。つまり、細かい条件設定に向いているということですね。
と聞くと、「じゃあ、Marketoの方がいいじゃん!」となりそうですが、一概にそうともいえません。
細かすぎる分岐設定は、動作を複雑にするだけですし、複雑な条件分岐を必要とするような業務はかなり限られています。
ほとんどの企業では、Pardotのシンプルな「トリガー」でさえも使いこなせていないのが現状ですから、「シンプルな方がいい」「複雑な機能は、かえって邪魔になる」という企業には、Pardotのほうがお勧めなのです。
【5:他システムとの親和性】
両システムとも、様々な外部システムとの連携が可能です。
中でも一番連携が求められるの、はセールスフォース社の「セールスクラウド」でしょう。
この件について「Pardot」は、「同じセールスフォース社の製品なのだから、うちの方が親和性が高いに決まっている」と主張していますし、弊社でも「セールスクラウド」と連携させているのは「Pardot」です。
ただ、「Marketo」側に言わせると、「Marketoとの連携の歴史の方が長いので、親和性に関してもMarketoに一日の長がある」ということになります。
これは、弊社でも両方を連携したわけではないので、何とも言えません。ぜひ両社の話をじっくり聞いてご判断ください。
以上、あくまでも主観であり、私が限られた時間の中で触った感想レベルではありますが、選定の際の参考になれば幸いです。
▽▽▽ 江島のイチオシ ▽▽▽
江島・福田の連載コラムが好評です。
江島コラムの「前編」は、「プリントアウトして、スタッフに配布しました」という方も(笑)
大変お待たせしましたが、「後編」をアップしましたので、ぜひお読みください。
▼キーワード検索からブランド検索へ ~10年後生き残るために、いま何をすべきなのか?~(後編)
https://gliese.co.jp/success/article/column_200110.html
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編集後記
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イチオシでご紹介した「キーワード検索からブランド検索へ ~10年後生き残るために、いま何をすべきなのか?~(後編)」に、
ブランドを定義づける → ブランドの世界観をカタチにする
ということを書いているのですが、そのとってもいい事例を見つけたのでご紹介します。
▼ZOZOのコーポレートロゴに込められた思いとは https://note.com/zoooom/n/n0d9ac3140d32?fbclid=IwAR3pi8X4eJuAFw-fIiRUu5wK8UCyfzwYPhAQt63RfRYy8p41UuXDkwdXUw8
これを読むと、ZOZOっていい会社だなあ・・・と思いますよね?
ちなみに、弊社のロゴには、Glieseという文字の下に曲線が入っていますが、https://gliese.co.jp/
この曲線は、「母なる海・地球」を表しているんですよ♪
貴社のロゴに込められた思いも、ぜひ教えてくださいね!
次号の担当は、年末の忙しいさなかに「世界の子どもたちへ編み物作品を贈ろう」プロジェクトのために作品を仕上げるという偉業をやってのけた、ディレクターの「山口かおる」です。
お楽しみに!
*この記事は2020年1月16日現在の情報を元にしています。
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