こんにちは。グリーゼの 江島民子 です。
おかげさまで引き続き大好評の、「コンテンツマーケティング担当者育成パック」。 https://gliese.co.jp/service/education.html
「書き方編」の中に、「正しい文を書く」という章があり、この章の講義中には「そんなこと考えたこともなかった!」というご質問を、たびたびいただきます。
先日、約90名のエンジニアの方を対象に「書き方編」のセミナーを実施した際には、こんな↓ご質問をいただきました。
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Q: 「さまざまな」は、なぜ"ひらく"のですか?
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表記ルールの話をしていたときのことです。
>>> 江島の解説 ここから
情報発信の表記を統一するために、「記者ハンドブック」(※1)を活用する企業が増えています。
「記者ハンドブック」では、
○「~してクダサイ」は、「下さい」ではなく「ください」
○「~してイタダク」は、「頂く」ではなく「いただく」
というふうに、"ひらく" (※2)ことになっています。
他にも、
○「サマザマナ」は、「様々な」ではなく「さまざまな」と"ひらく"・・・などの
ルールが記載されています。
>>> 江島の解説
ここまで とご説明したところ、
「さまざまな」は、なぜ"ひらく"のですか?
という質問をいただいて、絶句してしまいました。
「さまざまな」を"ひらく"理由なんて、考えたこともなかったからです。
あなたは、答えられますか?
※1 「記者ハンドブック」とは:
新聞記者が、記事を書くときの手引書 共同通信社が発行
https://www.amazon.co.jp/dp/4764106876/
※2 "ひらく"とは:
漢字で書くことのできる語句を、ひらがなで書くこと
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A: より読みやすくするためです
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「記者ハンドブック」とは、新聞記者が、記事を
(1)わかりやすくやさしい文章・言葉で書く
(2)できるだけ統一した基準を守る
ための手引書(「記者ハンドブック」 第13版まえがき より)です。
そのため、常用漢字表(※3)に記載されている漢字であっても、一部は"ひらく"というルールになっています。
例えば・・・
例1) 補助的に用いられる動詞は、"ひらく"
○~してください △~して下さい
○~していただく △~して頂く
例2) 使用頻度が高い一部の形容詞は、"ひらく"
○さまざまな △様々な
○いろいろな △色々な
このように、「記者ハンドブック」は、常用漢字表よりもさらに「やさしい」表記を推奨しているのです。
しかし、それらの全てを暗記する必要はありません。
社内の表記を統一したいのであれば、情報発信に関わる全ての方が「記者ハンドブック」、またはそれに代わる自社独自の表記ルール(原稿制作ガイドブック)を持っていればいいことです。
最近グリーゼでは、表記ルールづくり(原稿制作ガイドブック)のお手伝いをすることも増えてきました。
お困りの際は、ぜひお気軽にお声がけくださいね。
※3:常用漢字表とは:
「一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示す」表です。
(文化庁広報誌より) http://www.bunka.go.jp/prmagazine/rensai/kotoba/kotoba_009.html
▽▽▽ 江島のイチオシ ▽▽▽
弊社オウンドメディア「コンテンツマーケティングの成功法則!」の中から、オススメのマーケッターコラムをご紹介します。
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それに合わせて、ビジネス英文に関する連載を開始しました。第1回は・・・
▼「おもてなし」「忖度(そんたく)」など、もともと英語に存在しない言葉は、どのように訳せばいいのか?
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編集後記
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「さまざまな」は、なぜ"ひらく"のですか?・・・というご質問をいただいて、ハッとしました。
自分が「なぜ?」と疑問を持たずに、「そういうものだと覚えればいい」と決めつけていたからです。
元来、私は、「そういうものだと覚えればいい」という考え方が好きではなく、何でも理由を知りたい方です。
例えば、中学の英語で、「パン(bread)やバター(butter)は不加算名詞(数えられない名詞)だから、複数形はない」と習いますが、 先生に「そういうものだと覚えればいい」と言われても、「なぜ、パンやバターは数えられるのに、不加算名詞なんだろう???」といちいち考えてしまうタイプなのです。
それなのに、肝心の日本語に関しては「なぜ?」という意識を失っていたことに、少しショックを受けました。
これからは、もっともっと日本語に対する感性を研ぎすませていきたいと思いました。
ちなみに・・・パンやバターが不加算名詞である理由について、いろいろ調べた中で自分的に一番納得できたのは、「小さくバラバラにしても、逆に複数をくっつけても性質が変わらないものは、英語の感覚では"数えられない"と捉える」という説明です。
確かに、パンは小さくちぎってもパンだし、2つをくっつけてもパンですものね。
なるほど~~~!
他にも「なるほど~~~!」な日本語・英語に関する考え方がありましたら、ぜひ教えてくださいね。
次回は、福田多美子がお届けします。
お楽しみに!
*この記事は2019年5月30日現在の情報を元にしています。
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